筆者が小学生だった昭和の時代、テストの問題用紙と言えば"わら半紙"であった。少しざらついた、黄色と灰色が混ざったようなセピア色の薄紙。先生がガリ版で刷った問題用紙に向かい、悪戦苦闘していた頃が懐かしい▲時が流れて令和の時代。今やテストに紙そのものを使わない世の中へと変わっているようだ。先日、何十年かぶりにテストというものを受けた。ちょっとした資格に向けて勉強を始め、その1回目の科目試験である▲用意されたのはComputer Based Testing 、略してCBTという形式の試験。紙と鉛筆を使った従来の試験と異なり、会場でパソコンに問題と解答フォームをダウンロードし、マウスやキーボードで答える▲会場や時間帯が受験者の都合で選べ、コンピュータ採点で合否の結果もその場で分かり、ペーパーレスで環境にやさしいなど今どきの試験方法として広がっている。が、思ってしまった。「ついていけない人はどうすりゃいいの?」▲初めてなので緊張するわ、画面上の字が小さくて老眼にはきついわ、アップロード(解答提出)がうまく出来ているか心配になるわで、試験問題よりも操作にばかり気を取られる始末である▲こんなことに慣れるのも現代を生きるリテラシーなんだろうなぁと思いつつ、呟いていました。「わら半紙でやらせてください」(K)