大日本塗料は工業用の水性塗料「AQプライマー」を6月12日に発売した。水性塗料でありながら、工業用途で求められる塗膜性能を満たし、VOC排出の抑制や作業環境の改善に大きく貢献するとして、産業機械、建設機械、工作機械、鉄道車両など幅広い分野に展開していく。

大日本塗料によると、工業分野ではこれまで工業用途に適した水性塗料がなく、建築用の水性塗料を代用してきた背景がある。しかし、工業分野で求められる密着性や乾燥性、高い防錆性を満たすことができず採用に至らない傾向があったとする。

そこで「従来の溶剤塗料と遜色ないような塗料を開発すべく、顧客へのヒアリングで得た顧客ニーズを踏襲し誕生した」のが「AQプライマー」。

同品は鉄(磨き鋼板)、アルミ、ステンレスへの密着性に優れ、幅広い素材へ適用が可能。素材ごとに塗り分ける必要がなく省工程化にもつながる。更に、従来パテに密着する水性塗料はなかったが、AQプライマーはパテとの付着性も可能にした。

密着性や耐塩水噴霧性は溶剤系の1液形エポキシ樹脂系下塗り塗料と同等の試験結果を示している。また、常温乾燥の場合、乾燥に時間がかかる冬季でも1日1コートで上塗まで塗装が可能となる。