「ブルーカラービリオネア」という現象が米国で話題になっている。ブルーカラー、つまり肉体労働者の収入がビリオネア(億万長者)と比喩されるほど爆上がりし、ホワイトカラーとの逆転が起きている現象だ▲背景にはデジタル化の進展がある。データ分析や情報処理など多くの頭脳労働がAIに置き換わり、それらの仕事の人員削減が進む一方で、AIが及ばない人の手を要する仕事の価値が相対的に上昇。例えば、経理の仕事から転職した配管工の年収が3倍の1,660万円に跳ね上がるなど、ブルーカラーへの回帰が進んでいるという▲この現象を、デジタル化社会の揺り戻しという文脈で読んでみるのはどうだろう。人工知能やフィジカルAIなどテクノロジーの進歩が目覚ましいからこそ、それらでは補えないアナログな仕事の価値もまた上がっているとの見方だ▲その文脈で見ると、私たち塗料・塗装業界にも鉱脈が眠っているかもしれない。完成品の塗膜になるまでに多くの人の手を要する"半製品"という形態に、テクノロジーでは補えないアナログな要素が詰まっているからだ▲どうせデジタル化の流れでは周回遅れの業界である。ならば得意のアナログに磨きをかけてビリオネアを量産する塗料・塗装産業になる。年の初めの夢想としては悪くないだろう(K)