国内のコロナ感染の収束が見えてこない。東京や大阪など各地で緊急事態宣言が延長されており、国は9月30日の解除を目指している。一方で、海外からはスポーツ観戦や音楽イベントで多くの人達が盛り上がる様子が映像で伝えられているが、今の日本の状況からは想像しにくいと感じてしまう▲コロナ対策と経済活動を両立させるために、何の数値を重視すべきなのか。新規感染者数、重症者数、死者数、ワクチン接種率など。次の段階に進むためには、多角的視点とコンセンサスが求められている▲この考え方はSDGsやカーボンニュートラルと塗装との関係ともリンクする。最近、特にモノづくりに関わる現場では頻繁に耳にするこれらに対して塗装がどのように貢献できるか。近視眼的ではない捉え方が必要だろう▲先日、粉体塗料に関わる方と話をしていたときのこと。粉体塗装は溶剤系に比べて焼付温度が高くなるため低温硬化が最も重要かと話を振ると、「塗料製造から塗膜形成までを考えたとき焼付でのCO2排出は全体割合からするとそれほど多くはない。もっとトータルで考える必要がある」▲VOC対策という側面が大きな後押しとなっている粉体塗装だが、CO2対策の観点では多角的な視点と業界全体での取り組みが今後の成長曲線に影響するはずだ(T)