コロニアルなど平板スレート屋根の塗装時の定番アイテム「タスペーサー」(製造販売元・セイム)のニュータイプが今春発売される。屋根塗装時の必須工程である"縁切り"で、水抜けや通気性、緩衝性を高めて縁切りの精度の向上と屋根材への負担軽減を図った。

戸建住宅に多用されている平板スレート屋根材を塗装する際、上下の屋根材が重なる箇所が塗膜で覆われないよう「縁切り」をしなければならない。屋根内部に侵入した雨水が内部に残り、屋根下地や建物の構造を腐朽させる恐れがあるためだ。

従来は乾燥後にカッターや皮スキなどで重なり部の塗膜をカットして縁切りが行われていたが、塗膜が再癒着するケースがある他、人が歩くことで屋根材が破損する、仕上げた塗膜を汚す・傷つけるといった問題があった。

そこで塗装をする前に重なり部分に治具をはさみ塗膜が癒着しない適度な隙間を確保するものとして開発されたのが「タスペーサー」だ。同品を用いることで縁切りが確実にできるとしてハウスメーカー各社の塗り替え工事で標準スペックに入っている他、国交省の外郭機関・住宅紛争処理支援センターの「化粧スレート屋根の塗り替え見積り例」にも縁切り工程としてタスペーサーが明示されており、屋根塗装時の定番アイテムとしてオーソライズされている。

今回リニューアル発売される新型タスペーサーは、厚みや形状に更に工夫を重ね、毛細管現象で吸い上げられた水を排出する水抜けを良くした他、通気性も向上、屋根内部への水分の滞留防止性を更に高めた。

また、タスペーサー自体にクッション性をもたせ、歩行などによる屋根材自体の割れを緩和する機能も高めた。特にアスベスト使用禁止以降の屋根材はもろさが指摘されており、緩衝機能への期待が高まっていることを受けたもの。同社では「リフォーム市場の成熟に伴って施工品質への目が厳しさを増しており、それに応えるものとしてタスペーサーの更なる普及を図りたい」として新型タスペーサーの拡販に注力する。