日本ペイントホールディングスは、塗膜の抗菌効果を可視化する評価系を開発したと発表した。抗菌塗膜の性能評価の正確化に寄与し、感染症予防への貢献が期待される。
今回開発したのは、塗膜上での細菌の増殖をリアルタイムで可視化し、抗菌効果の評価を可能にしたというもの。東京大学大学院系研究科の中村乃理子助教、太田誠一准教授らと日本ペイントの宮前治広研究員らの研究グループによって評価系を開発した。
具体的には、緑色蛍光タンパク質を発現する大腸菌と蛍光観察装置を用いることで、数cm四方の塗膜上で細菌が増殖する様子を連続的に観察することに成功。
従来の国際標準化機構(ISO)規格では評価できなかった塗膜上における細菌の空間分布の時間変化の解析を可能にした。
これにより、さまざまな抗菌塗膜の性能をより正確に評価し、リアルタイムでその効果を可視化することで抗菌塗料製品の普及を促進し、感染症予防に寄与することが期待される。