中小企業省力化投資補助金に自補修向けに展開する「自動調色システム」(コンピュータ調色システム)が採択され、製造事業者として昨年末ロックペイントが第1号の製品認定(WEB掲載ベース)を受けた。今後、同業他社も追随すると見られ、自動調色システムの販売が活発化することが予想される。

同補助金は、人手不足下にある中小企業の売上拡大、生産性向上を支援するために設けられた補助金制度。従業員規模に応じ5名以下200万円、6~20名500万円、21名以上1,000万円が最大で得られる(補助率は2分の1)。購入が容易な汎用製品を補助金の対象にしたのが特色で、企業規模を問わず活用できる。

さまざまな産業製品が対象となる中、自補修向け自動調色システムにおいては、昨年日本塗料工業会を介し、10月に製品カテゴリの登録を取得。運用上必要なメーカーの製品登録審査、証明書発行が待たれていた中、昨年12月にロックペイントが先陣を切る形で自動調色システム「ROCKONⅢスペクトロフォトメーター」で製品認定を取得した。

ただ活用には、さまざまな要件が設定されている。補助金活用を希望する導入企業は指定の製品カタログから特定の製品を選定し、一覧リストから販売事業者を選定する流れとなる。一方、販売事業者がリストに選定されるためには、メーカーからの招待に加えて過去の販売実績が登録要件となっており、すべての販売事業会社が関与できない制度体系となっている。そのため、一部の業界関係者からは「需要喚起としては限定的にとどまるのではないか」との見方もある。

ただ、今回のロックペイント製品の認定を受け、特約店の経営トップは販売拡大に期待感を見せる。「これまで価格面から導入を手控える動きも少なくなかったが、補助金の採択で導入が進むと見ている」との見解を示した。