カラフルな色づかいと大胆な構図。街ゆく人の目が思わず引き寄せられる壁画が今年も完成した。茨城県日立市の塗料ディーラー・日興(中山泰志社長)が応援しているアート活動の作品だ。同社の倉庫の壁をキャンバスに仕立て、県立日立二高の美術部員たちによる壁画作品「高校生の四季」が完成、昨年12月13日にお披露目会が行われた。
将来的な需要家予備軍として、地域の市民とのつながりを大切にしている日興。おとなも子供も楽しめるペイントワークショップを頻繁に開催するなど、地域住民との交流を深めている。
その一環として行っているのが、子供たちのアート支援活動だ。自社の倉庫の壁を壁画制作のキャンバスとして提供し、アートを通じて自由な発想や柔らかい感性を育んでもらう活動。色材としての塗料に親しんでもらいたいとの狙いもある。これまで地元幼稚園の園児や中学校の美術部の生徒たちが壁画を制作、前を通る人たちの目を楽しませてきた。
今回は、県立日立二高の美術部員が壁画制作を行った。テーマは「高校生の四季」。春夏秋冬のイメージ画を背景に高校生の足が力強く大地を踏みしめて歩く構図。遠近を使い分けた画法、豊かな色づかいなどインパクトのある作品に仕上がった。
同社の中山泰志社長は、「生徒たちは毎日夕方4時から6時まで、寒さもものともせず精力的に絵を描いてくれました。初めて触れた筆がわりの目地刷毛にもすぐに慣れ、細かい描写をこなすあたりはさすがに美術部の部員さん。壁画はとても印象深く、等身大の自分たちをしっかりと表現していて感動すら覚えました。このような色彩豊かなアートが街ゆく人たちの心も温かくしてくれるとの思いで、毎年この活動を続けています」と感慨深く語った。