BASFは2024~2025年の自動車カラートレンド予測を発表した。今回のテーマは「ROUTING(最適な経路選択)」としており、「通信技術分野の概念であるルーティングに着想を得たもので、情報の伝わり方を意味している」と説明した。

同社のチーフカラーデザイナーの松原千春氏は「人間あるいは人工知能との間で行われるコミュニケーションや情報の扱い方がトレンドを牽引する大きな要素」との見方を示した上で、「情報をやりとりするコミュニケーションとカラーは本質的に似ているところがある。例えばいつも変わり続けている。コミュニケーションの仕方や内容は時代とともに変化し、カラーもトレンドによって変わったり、新しい技術が開発されて変わったりしている」と説明し、カラートレンドを紹介した。

今回のカラートレンドの特徴として、①新しいレッド:よりダークで青みがかったレッドやパープルへ変化する特徴的なカラー②ダークな無彩色:エネルギッシュなエフェクトブラック③メタリックカラー:革新的技術の採用④パステルカラー:自動車カラーの色域拡大⑤サスティナビリティ:多様な手法の選択⑥機能性:見えるものを越えての6つを挙げた。

その中のサスティナビリティについて松原氏は「必要な要素になりつつある。量産技術や色の魅力が中心だったが、サスティナビリティは必須になりつつある」と指摘し、カラートレンドの中にも、再生可能な材料やリサイクル材料の使用、顔料を使わずエフェクトを発現するバイオベース材料を活用した色も開発している。