日本塗装工業会は11月17日、東京・渋谷の塗装会館で業界専門紙に向けて定例記者会見を開いた。今年5月の総会で就任した加藤憲利会長が表明していた発信力強化の一環として開いたもので、その第1回目。上半期を終えた段階での各事業の進捗状況などを報告した。

今年の上半期に大きく動いたこととして報告したのは、特定技能外国人の受け入れに関する事項について。特定技能外国人の業務区分の統合が8月30日に閣議決定されたことで、建設塗装にも特定技能外国人が従事できることになった。

これを受け日塗装は、特定技能外国人受入事業実施法人のJACの正会員として10月1日付で登録。日塗装の会員は間接会員の扱いでJACへの年会費負担なく特定技能外国人を受け入れることができる。

その案内を会員に始めており、「技能実習生の特定技能への移行に関する会員からの問い合わせや、間接会員になりたいので本会に入会したいなど会員外の方からも多く問い合わせをいただいている。会員には明確なメリットとして、また非会員には入会のインセンティブとしても期待できる」とし、JAC正会員登録の反響について説明した。

特定技能外国人の在留資格の取得に関しては、現行の外国人技能実習制度の「技能実習2号」修了者からの移行が最も多いと見られている。日塗装会員における同実習生は令和3年度末時点で931名が在籍。この中から特定技能への移行が進むことになる。

また、日塗装の新たな取り組みとして注目されている「けんせつ女子ビューティーセミナー」の活動についても報告した。

同セミナーは、建設業界で働く女性を応援し、女性が活躍できるフィールドを広げるとともに女性の入職促進を図り、建設業の活性化を図ることを目的としたセミナー。「当会の会員会社でも現在、約700名の女性の直用工が在籍しており、女性が活躍できる職場として認知を広めていきたい」(普及委員会・片桐久委員長)との狙いもある。

セミナーでは、建設業で働いている女性や建設業に興味がある学生などが参加し、「自分らしく、輝く」ための講義の聴講やディスカッションなどを行う。資生堂からの講師による、屋外作業における美や健康の保ち方のセミナーや、女性がもっと働きやすくなるための参加者同士による熱いディスカッションが交わされているという。

片桐委員長は、「昨年11月に松山市で初開催し、今年6月に広島、10月に仙台で開催。広島と仙台ではそれぞれ30名と49名の参加者があり、熱気のあるセミナーでした」と盛会であったことを報告。2023年2月15日に大阪で4回目が予定されており、その後も継続するとともに、「セミナーで出されたさまざまな意見やデータを会員企業にフィードバックし、女性がもっと活躍できる業界になるための課題や情報を共有していきたい」と方針を述べた。

今回の記者会見ではこの他、登録建設塗装基幹技能者認定講習会やトップリーダー育成研修事業などについて詳報。なお、直近の行事としては今年12月15日に東京・ホテルニューオータニで令和4年度受章者合同祝賀会と全国支部長会の開催を予定している。