日本建築仕上材工業会(NSK)とNPO湿式仕上技術センターは5月9日、東京・明治記念館において令和7年度通常総会を開催した。
まず始めにNSKの藤井実広会長(写真左)があいさつに立ち、「令和6年度は新型コロナ禍が収束し、建築業界でも回復の兆しが見える1年でした。そうした中、NSKの生産数量統計における対前年比は、建築用仕上塗材と左官材料・補修材料の総計は1.5%減で推移。中でも建築用仕上塗材の生産数量で第1位の可とう形改修塗材Eが4.3%の減少となり、住宅の改修需要に回復の遅れが見られました。本年度は、賃上げの定着による住宅の改修需要の回復や、官民の設備投資の回復も予想され、今年こそ生産数量の底打ちが期待されるところです」と、市況回復への展望を述べた。
続いて開かれたNPO湿式仕上技術センターの第24期通常総会が行われ、あいさつに立った原田進理事長(写真右)は、「戸建て住宅の外壁は約80%をサイディングボードが占め、モルタル外壁は7%にとどまっています。近年、地震や台風、竜巻などの自然災害が頻発する中にあって、モルタル外壁のそれらへの耐性が見直されてきています。今年3月には『モルタル外壁住宅の展望』と題した講演会を東京と大阪で開催。レジリエンス性能を持ったモルタル外壁住宅に関して古賀一八教授に講演していただき、『これからの住宅はモルタル外壁だ』と気勢を上げ、盛況のうちに終えることができました。モルタル外壁が伸びれば仕上塗材も伸びるわけで、会員の皆さんと協力しながらモルタル外壁10%以上のシェア奪還を目指していきたい」と、モルタル外壁復権への期待を寄せた。
総会では両団体とも各議案を原案通り可決承認。新年度も普及啓発活動などに注力していく。
総会後には、NSK創立60周年を記念して功労者表彰を挙行。特別功労賞の本橋健司氏、古賀一八氏を始め7名に功労者表彰を授与、功績を称えた。
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