粉体塗装のカラーデザイン戦略で事業拡大してきたカドワキカラーワークス(本社:神奈川県横浜市、代表取締役:門脇正樹氏)は、更なる成長に向けて新たな局面に入った。昨年10月に内装のテクスチャーペイント施工に特化するHUS〈ヒュース〉(代表取締役:田島大輔氏)を子会社化、それに伴って今年1月23日、東京都江東区にショールームを開設した。外装及び内装での意匠性仕上げを訴求し、顧客にラグジュアリー空間を提供する事業戦略だ。
門脇社長と田島社長が知り合うきっかけとなったのが、イタリア製特殊塗装の水性塗料ブランド「VALPAINT(バルペイント)」。カドワキカラーワークスが内装用の意匠性仕上げの取り扱いを始めたことにより、門脇社長らがバルペイントの施工研修を受講したときに講師を務めていたのが田島社長だった。金属塗装と内装塗装で領域は異なるものの、「意匠性の可能性を信じる志や仕事のスタイルで共感することが多かった」(門脇社長)として、連携を高めていき、グループ化に至った。
多彩な意匠性を感じる空間
1月にオープンしたショールームには特殊粉体塗装「Ki color」や水性テクスチャーペイント「Ki Arttex」のサンプルを揃えて、"金属・外装"と"内装"で統一した意匠性仕上げの提案を行っていく。
ショールーム(住所:東京都江東区佐賀1-1-6 アイアンクオータビル1F)は約100㎡で、内装空間はHUSが得意とするテクスチャーペイントで演出している。
床や天井にもパールなどの光輝材を含有した塗装仕上げ。壁や天井をはじめとしてカラーデザインはHUSのイメージカラーであるパープルを基調とし、床はショールームスペースがホワイト、隣のワークスペースはパープルで区分けされている。
ショールームスペースには特殊粉体塗装「Ki color」や水性テクスチャーペイント「Ki Arttex」の色見本帳を揃えると同時に、奥の壁一面には特徴的な水性テクスチャーペイントを大板サイズで並べている。新たなテクスチャーが出たときには入れ替えて最新トレンドを展示する考えだ。
隣のワークスペースではテクスチャーペイントのワークショップや粉体塗装の見本板作成も行える。自製した塗装ブースと小型金庫炉を完備しており、その場で粉体塗装が行える。溶剤を使わない粉体塗装ならではの扱いやすさを生かしている。
ショールームでは1名が常駐し対応するとともに、カドワキカラーワークスの顧客である設計事務所やゼネコン、サブコン、デザイナーに対しては予約制にして対応していく。
門脇社長は「我々のお客さん、例えばサブコンさんに自分のお客さんを連れて来てもらって提案の場に使ってもらいたい。いろんな活用法が考えられ、塗装仕上げのイメージを感じてもらいたい」とショールームの役目を話す。
カドワキカラーワークスは塗装専業者として粉体塗装のカラーデザイン戦略を推し進めてきたが、新たに水性テクスチャーペイント事業を備えたことで外装・鉄部は粉体塗装、内装は水性塗装によるトータルでの意匠性仕上げを強みに事業を展開していく戦略だ。
従来のビルの内外装材だけでなく、マンションエントランス・設備や店舗においても意匠性ニーズの高まりを感じており、門脇社長は「外装・内装・設備部品のトータルで統一した意匠性仕上げを提供できる体制が整った」として更なる成長を目指す。
更に情報発信拠点のショールームを開設したことでB to C領域も見据えている。個人住宅や別荘といった領域においても、カドワキカラーワークスによる意匠性仕上げの可能性を感じている。