日本塗料工業会は、「2024年度需要実績見込」及び「2025年度需要予測」を公表した。その結果、2024年度の需要実績見込みは、対前年比3.8%減の123万7,000トンとなり、昨年時の予想を下回る見通しとなった。また4月から始まる2025年度は対前年比0.9%増の124万8,000トンと引き続き需要の低調傾向が続くとの予測を示した。
「2024年度需要実績見込」で対前年を上回ったのは、船舶と路面標示の2分野。船舶は、海運業界の好業績を受け、造船需要が活況。大型、小型とも新造船向けの出荷が堅調に推移した。路面標示は、低調に推移していたトラフィックペイント、滑り止め工事を東京都などからの発注増加で押し上げた。主力の建物は消費マインドの冷え込みで戸建てリフォームが不振。道路車両・新車も自動車メーカーの認証不正問題の影響が響いた。
一方、「2025年需要予測」は全体的に低調傾向が続くとの見方を示しつつ、電気機械、機械、金属製品の回復を予想。粉体塗料や機能性塗料市場の成長にも期待を示す。
その他、建物は都市部を中心とした大規模再開発需要が堅調に推移し、リフォーム市場や断熱塗料の拡大を見越し、前年度比102.7%と予想。道路車両・新車は、アメリカの関税処置の影響を見据え現状維持を予想。家庭用は、賃上げ機運の高まりによる個人消費の回復を期待し105.2%とした。
減少を見込むのは、建築資材、船舶、輸出、その他。建築資材は、新設住宅着工件数の落ち込みが長期化し、材料価格上昇による需要減を予想する。