菊水化学工業は4月16日、東京・品川の会議室において、「2025年度アスベスト研究会総会」を開催した。会員・賛助会員を合わせて全国から100名が参加。アスベスト処理に関わる最新情報などを共有した。

同研究会はアスベスト含有仕上塗材の除去・撤去工法に関して全国の関連企業と研究・開発や情報交換、課題の協議などを目的に2019年に発足。建物解体業者や改修、塗装業者など幅広い業種で構成。正会員数は2019年発足時の57社から今年度は103社に増加、活動が活発化している。

総会の冒頭であいさつに立った秦賢治会長(写真、菊水化学工業)は、「前期は、全国6エリアで支部会を開催し、そこでの意見を集約して厚労省や環境省に報告書として提出。また、両省と座談会を開くなど行政とのコミュニケーションを密にしています」と報告。

続いてアスベスト処理をめぐる市場の状況について触れ、「建物の解体市場は2040年までに4兆円の市場規模に達すると予想されており、それに伴ってアスベスト除去市場も膨らむことが予測されます。一方で、知識や技術力のない業者の新規参入やアスベスト隠しの問題も露見されるようになり、信頼性がますます重要性を帯びてきています。我々はアスベスト除去のプロ集団として知識、技術力の研鑽と材料や工法の研究、開発に邁進し、社会に役立つ、なくてはならない団体としての存在感を高めていきたい」と述べ、会の活動に一層注力していく姿勢を示した。

今年度の活動計画では、7月から9月にかけて全国6エリアで支部会を開催する他、10月にWEBセミナーを開催。理事会、技術委員会の開催などを引き続き行っていく。また、理事の再選では、秦賢治会長を始め4名の理事が再任された。

その後、各支部の活動報告に移り、各地での設計折込活動の事例や、携帯型水循環式吸引電動サンダー「GSCウエットサンダー」の活用事例及び発注者の評価などを報告。各地の現場の生の声を共有した。

総会終了後には厚労省及び環境省の担当者の特別講演が行われ、令和8年1月1日以降の着工から義務付けられる工作物石綿事前調査についての概要などが詳報された。