感謝の気持ち込め、校舎にペイントアート

「ぼくたち、わたしたちを見守ってくれた校舎に、感謝の気持ちを込めて絵を描こう!」。教室や廊下や階段室の壁、防火扉やパーテーションや掲示板...校舎内のいたるところに、子供たちの思いがこもったアートが紡がれていく。「さよなら学び舎・ありがとう金曽木小学校」。


3月の始め、東京・台東区立の金曽木小学校で、全校児童らによるペイントアートのイベントが行われた。

創立121年を迎えた同校では、4月から現校舎の大規模改修工事に入る。これに伴い、40年近く子供たちを包み込んできた校舎から全児童が退去。最後に、校舎をキャンバスに全児童でアートを描き出すというイベントだ。

「大規模修繕工事で子供たちの絵は残らないけれど、学び舎への感謝の気持ちを込めて描いた思い出は心に刻まれ、大切な宝物になる。大規模修繕に入るからこそ校舎に絵が描けるので、この機会を有効に活用したいと思いました」と同校PTA会長の坂田真也さん。PTAが主体となり計画を進めた。

学校側の賛同も得られ、実施に向けて準備を進める中で、日本ペイントのCSR活動「HAPPY PAINT PROJECT」の情報をネットでゲット。「日本ペイントさんにすぐに連絡をし、協力への快諾をいただきました」(坂田会長)と計画が動き出した。

今回は、日本ペイント及びニッペホームプロダクツに加え、以前の壁画ボランティアでコラボした大塚刷毛製造とハンディ・クラウンも協賛。廃棄予定だった塗料をアップサイクルしたニッペホームのカラフルな塗料、数百本に及ぶ刷毛や副資材を大塚刷毛側が用意し、サポートの社員も各社が派遣、万全のバックアップ体制が敷かれた。

ありがとうの気持ちと思い出刻む

今回のペイントイベント「さよなら学び舎・ありがとう金曽木小学校」は3月3日から5日にかけて行われた。初日は2・4年生、2日目は3・5年生、最終日は1・6年生が時間帯を分けて活動。このうち、報道陣に公開されたのは、6年生の活動時間にあてられた最終日の3・4時間目の時間帯。

描画に関してはあらかじめ児童たちにアンケートをとり、その中から絵のテーマを決定した。6年生が描くテーマは「卒業・感謝・桜」。各テーマをもとに先生たちがパソコンで下絵を起こし、そのプリントを見ながら児童たちが校舎に絵を描き出していく。

あるグループが描いていたのは「桜」。卒業式はもちろん、まだ初々しかった入学式をも連想させる桜は、自分たちの小学校生活を見守ってきた象徴的な樹木。大きな防火扉いっぱいをキャンバスに、迫力ある桜の木を描き出した。

またあるグループは、おめでたい事の連想から「大漁旗」をモチーフに選んだ。活き活きとした「鯛」が大漁旗の上で跳ね、その横には「卒業」の大きな文字。明るく元気に、みんなで卒業を祝おうとの気持ちが読み取れた。

別のグループが扉に描いていたのは、「ありがとう」の文字と校舎の絵。6年間お世話になった校舎に感謝の気持ちを込め、素直に表現した。同じく、扉に「校章」を描いていた児童は、卒業を前に、思い出深い金曽木小学校への愛着を校章の絵で表した。

パーテーションに絵を描いていた女子児童は、「校舎のいろんなところに絵を描けるなんて、たぶんこの先もできない経験だと思う。みんなで描いた絵の中で過ごす学校生活もあと少しだけれど、卒業してもきっと忘れないと思う」と、金曽木小学校のみんなの気持ちを代弁していた。

6年生の活動時間は瞬く間に過ぎ、最後に児童たちは玄関ピロティに整列。日本ペイントや大塚刷毛製造の社員に対して、そしてPTAの役員や保護者など今回の活動の実現に向けて汗をかいてくれたすべての大人たちに向かって、「ありがとうございました!」と声を揃え、イベントを終えた。

日本ペイントの「HAPPY PAINT PROJECT」は、「塗料を通じて社会に幸せをお届けする」をコンセプトに2017年から続けているCSR活動。地域活性化の支援、学校教育へのサポート、子供たちの思い出づくりなどペイントの楽しさを世の中に伝え、新たな塗料・塗装文化の創造に向けて活動を続けている。これまで全国で100回以上のイベントを実施、参加人数も1万人近くに達した。

今回も、子供たちの中に大切な思い出が刻まれ、塗料を通じてハッピーが届けられた。



台東区立金曽木小学校ペイントアート
台東区立金曽木小学校ペイントアート
「桜」は学校生活を象徴する樹木
「桜」は学校生活を象徴する樹木
「大漁旗」の発想がユニーク
「大漁旗」の発想がユニーク
「ありがとう」の思いを込め描画した
「ありがとう」の思いを込め描画した
下級生たちのアートも校舎を飾った
下級生たちのアートも校舎を飾った

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