名古屋市工業研究所、愛知県工業塗装協同組合、中部塗装技術研究会は明日の工業塗装を考える懇談会を2024年11月27日に名古屋市工業研究所ホールで開催した。
今回は大気社・塗装システム事業部の吉岡秀久氏が「カーボンニュートラルの実現に向けて~塗装システムにおける現状と将来の方向性~」を紹介。
大気社ではCN実現に向けて①徹底した省エネ技術②エネルギー転換対応③塗装代替技術の3つの柱を設定。①としては高効率塗装機と給気風量を最適化した塗装ブースの組み合わせや、ドライ式塗装ブースによる空調エネルギー削減などを展開する。
②については水素エネルギーの塗装システムへの適用に取り組んでおり、水素バーナーを乾燥炉に適用したときの品質や制御方法などを検証している。その他にも塗装システムをオール電化としたときのCO2の排出削減を検証しており、前処理の加温や電着の冷却におけるヒートポンプ導入効果を解説した。
また、③の塗装代替技術としてはフィルムによるドライ加飾を展開。生産を想定したデモラインを設置し、改善改良に取り組んでいる。来年1月から顧客のワークによるフィルムテストが対応可能になる予定という。吉岡氏は「市場導入に向けて課題に対応中。関係先と協力して一日でも早いライン構築を目指す」と話した。