その売り場でペンキを購入していく割合は女性の方が多い。食品や日用品を買いに来た主婦が「そう言えば、そろそろ部屋の壁を塗り替えなくっちゃ」とペンキを"ついで買い"するケースが多いためらしい。アメリカのスーパーマーケットでのワンシーンである▲先週、小紙主催の「米国塗料ビジネス視察ツアー」でアメリカの塗料事情を見てきた。国内の汎用塗料ビジネスの停滞が続く中で、最終消費者を含めたB to Cの視点が重要になっており、その本場・アメリカにヒントを探ろうと企画したもの▲普段の買い物に行くスーパーマーケットにさえ塗料売り場があり、数百のカラーチップの中から色を選んで店員にミキシングしてもらい、お肉や野菜と一緒に持ち帰る、そんなシーンが普通に広がっている。まさにコンシューマ需要の象徴的な断片を垣間見た▲塗料メーカーは言うに及ばず塗料専門店、ホームセンターそしてスーパーマーケットにいたるまで担当スタッフの"熱さ"がとても印象的。塗料の知識、魅力の伝え方、相談対応など自分が担いでいる塗料への思い入れが半端ではない。とても堂々としているのだ▲「家のつくりが違う」「文化が違う」などは瑣末な理由であって、本当の違いは、売る側の「塗料への思い入れ」。それが需要づくりの違いに直結している(K)