ネット通販「アマゾン」の利用者として、その過剰包装が以前から気になっていた。ボールペン1本の注文でも大きな段ボール箱で送られてくる。その過剰ぶりに「これは相当、潤っているだろうなぁ」と▲潤っていた。全国段ボール工業組合連合会によると、「通販・宅配、引越し」用の段ボールの今年の消費量はいよいよ5億㎡の大台に到達しそうだと言う。平成20年で2億5,600万㎡だったから、この9年間でほぼ倍に拡大。ネット通販の勢いがここにも如実に表れている▲と、そんなデータを見つけて嬉しがっている場合ではない。ネット通販が物流業界を圧迫しているのはたびたび報じられている通りだが、そのしわ寄せが塗料業界にもいよいよ現れてきた▲今月(6月)から塗料の現場直送に際して割増運賃を課すと大手物流会社の一角が打ち出した。通常の運賃に加えて1缶当たり300円から600円の直送運賃が発生する。「1社が始めれば他も追従する」と警戒する一方で、「物流業界の疲弊は社会的な共通認識になりつつあり、運賃転嫁の理解が市場に得られやすいかも」と見る向きもある▲いずれにしても現場に塗料がなければ塗装はできない。物流環境が難しくなる中でいかに配送サービスを充実させるか、塗料ディーラーの力量が試される。今週号は「塗料流通特集」(K)