先日、業界企業の経営者と話をしていて盛り上がった話題がある。中学生の学習カリキュラムにDIY塗装を働きかけてはどうかというアイデアだ▲昔、中学校の技術科で小さな椅子を作り、ニスで仕上げた記憶があるが、正直、あまり面白くなかった。単なる学習の一環に終始し、習ったことの生活への応用など本来の楽しみ方が示されなかったからと今にしてみれば思う。何かに役立つ実感が得られたときに本当の面白さが分かるものだ▲今回のアイデアでは室内の壁のDIY塗装をカリキュラムにする。塗装方法はもちろん教えるが、大事なのは実際に自宅でやってみることへの誘導▲部屋が大胆に様変わりする新鮮さ、好きな色に包まれて暮らす満足感。部屋が素敵になれば片付けも自然に習慣化され、心も整う。色や空間デザインに対する美的センス、住まいを自力でメンテナンスできる自信と技能が育まれるなど教育効果はバツグン▲以前は技術科と家庭科、男女別に行っていた学習も今は「技術・家庭科」になり、男女が一緒に学ぶ形に変わっている。最近の女性のDIYブームに見られるように、案外女子の方が素早く反応するかもしれない。負けてはならじと男子も刷毛やローラーを持つ。そうしてDIY塗装が文化に育っていく。そんな普及活動があってもいい(K)