有人地帯か無人地帯かという基準が重要であるらしい。ドローンの利活用である。農薬散布や測量、空撮、土木構造物の点検など活躍の場が広がっているが、なるほど人の密集が少ないエリアという共通点がある。安全性、プライバシー、騒音など人の生活空間で利用するためにはまだまだクリアしなければならない課題があるようだ▲日本建築ドローン協会という組織が新たに立ち上がり、その記者発表会が先週あった。芝浦工大の本橋健司教授を会長に、建築、ドローンそれぞれの専門家が役員に名を連ねる。建物診断における合理化、省力化、情報化など多大なメリットが期待できるドローンだが、人の生活空間に近接する建築特有の制約がそれを阻んでいた。その課題克服と操縦人材の育成を協会は目指す▲塗装業界でもドローンを使うケースがちらほらと出てきており、1度その様子を見学したことがある。屋根の上、数メートルの位置に止まって表面の劣化状況をつぶさに調べている姿、風に流されてもすぐに元の場所に戻って仕事を続ける姿はどこか健気で、思わず「賢いなぁ」とつぶやいていた▲隣の家で、その先のマンションでというように街のあちこちでドローンが飛んでいる姿を見かける日もそう遠くない。近未来の光景の中で塗装現場はどう変わるだろう(K)