「そういえば」と、改めて気づかされたことがある。「いったい誰が塗るんだろう?」と。内装塗料の話である▲塗料の新たな需要づくりに業界の期待が高まっている住宅の内装分野。年間6億平米と言われるビニール壁紙の市場に食い込めば確かにおいしい。でもその議論の中で「誰が塗るのか」という視点がすっぽり抜け落ちていた▲近年のDIYブームの中で、「住まい手自身で」塗ることがなんとなくイメージされていたように思う。でも考えてみれば、壁紙を自分で張ろうと思う人がほとんどいないように、DIYペイントも甘い期待でしかないのかも。大きな市場をつくるためには施工を担うプロの手がやっぱり必要なのだ▲インテリアペイントのリーディングカンパニー・カラーワークス。住宅の内装でペイントを広めるためにはその施工を担うペインターを輩出しなければならないと、育成事業に力を注いできた。同社が運営するアカデミーやスクールの卒業生が既に300人を超えたという▲その多くが塗装職人。「皆さん、今の仕事のステージをもう一段上げたいという思いで共通しています」と秋山秀樹社長。インテリアペイントの細やかなニュアンスを習得することで高まる技能や表現力。卒業生が輝きを増している姿に、塗装業界を変えていくポテンシャルを見出している(K)