「高校の新卒者ほど採用が難しい」と建築塗装会社の経営者。会社の成長に伴って営業職や幹部候補生として大学新卒者を採用できるようになってきたものの、「塗装職人候補」としての高校新卒者の採用がままならない▲文部科学省の学校基本調査によると、平成30年度の高校卒業者約106万のうち、大学などへの進学者は約75万人で卒業者の7割強を占め、就職者は18.6万人で2割にも満たない。同年度の大学卒業者の就職者数43.6万人に比べても高校新卒者の希少性が分かる▲塗装職人の確保と、その技能の承継を考えたとき、「まだ何色にも染まっていない若い子が理想」と高校新卒者への期待を示す先述の経営者。インターンシップやキャリアアッププランの明示、社内の職人学校の設立など高校生の目に魅力的に映る制度を整え、採用に力を入れる▲職人として高校新卒者の採用に成功している事例の中で「なるほどなぁ」と納得した取り組みがある。「親族者との面談」だ。対象の高校生だけでなく、「その親御さんにもお会いして当社をお見せし、ファンになってもらうことで入社率と定着率が格段に高まります」と成功事例の経営者▲大切な子供や家族を預け、預けられる者同士の相互理解が、人が安心して働ける土壌を生む。社員の家族や親御さんは貴社のファンですか?(K)