昔から大型連休というと気後れするところがある。「混雑」という言葉がすぐに浮かび、ホテルや旅館の季節料金もなんだか癪にさわって旅行の計画を立てないまま終わることが多い。例にならってこの10連休も無為に過ごしてしまった▲ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが今年から導入して話題になった「変動料金制」。季節や曜日、気候などさまざまな条件から混雑具合を予想し、それに応じて料金を変えるもので、年間を通じて混雑の度合いをならし、入場者の満足度を高めることが目的という。今後はAIを活用し、時々刻々の需要と供給に応じたより細やかな変動料金が、さまざまな分野で広がると言われている▲そうすると繁閑による料金変動がより大きくなるわけで、閑散期を狙って旅行やイベントに出かけるお得度が一段と高まる。が、そう都合よくいかないのがサラリーマンのつらいところ▲前号の本紙に登場してもらった島根県の長岡塗装店は、各社員の仕事に正・副の2人体制を敷いている。仕事を補える人が控えていることで休みが取りやすくなるよう、働き方改革の一環として進めてきたという▲混雑や高い料金を避け、ゆったりお得に過ごせる休日。単なる休みではなく、「質の良い」休みが取れるかどうかも、会社を選ぶバロメーターになりそうである(K)