「調色屋」と銘打ってネット通販をしている大阪市の塗料販売店・タカラ塗料(大野一馬社長)。新旧1,000色以上の日塗工番号やマンセル値で受け付け、水性、油性、木部、金属などの用途と各艶にも対応。1kg/1缶からオーダーできるとあって、全国の『ちょっと使い』のペイント需要をネットで吸収、主力事業の1つに育てている▲「機械ではなく、すべて手調色」という調色業務を担っているのが3人の若い女性社員だ。1日に何色も調色をするから上達が早く、「入って2~3カ月もすれば十分戦力になります」と大野社長▲足首まで届く長い前掛けが彼女たちのユニホーム。原色が飛び散ったカラフルな前掛けは仕事の証、どこか誇らしげでさえある。それを巻いて若い女性がキラキラ立ち働いている姿は、スタジオジブリの映画にでも出てきそうな光景。魅力的な職場に映るのも頷ける▲同社がこの春、『調色師』の職名で社員の募集をしたところ「若い人を中心に30人もの応募があった」と大野社長を驚かせた。今の人たちの職業観を窺い知るこのエピソードに人材難へのヒントが隠されている気がする▲自社の仕事の一つひとつを分析し、若い人の職業観をイメージして組み直してみるのも一考。人材確保の効果だけでなく、社内の活性化と業績アップにもつながるかも(K)