超大型台風が頻発している日本列島。「これまでに経験したことのないような...」という気象庁の発表が今や常套句になってしまったように、豪雨や台風の規模は年を追うごとに巨大化。気候変動の魔の手が市民生活を脅かしている▲「今すぐ屋根を見に来てほしい」。台風一過の塗装店にはひっきりなしに電話が入る。「これまでに経験したことのない」猛烈な風雨で、屋根がはがされ、瓦が飛び、雨が家の中に浸入、「何とかしてほしい」という切羽詰まった依頼だ。ブルーシートや自着シートでの応急処置は、「まともなお金は請求できない」が、地域の人たちに必要とされている以上、駆け付けざるを得ない▲今月10日に、塗装のボランティア団体「塗魂(とうこん)ペインターズ」が結成10周年を迎えた。10年前に町場の塗装店13社でスタートした団体は、今や全国175社に規模が拡大。その記念式典の席上で宮嶋祐介会長は「近いうちに1,000社の会員を目指す」と明言した。災害時のボランティアで全国に隈なく駆け付けられるようにするためだという▲自然災害の頻発と大型化で、住まいをまもる、暮らしをまもる仕事への期待は高まるばかり。地域密着、施主元請型の塗装店が増える中、地域の人たちの期待に応える存在になれるか。塗装店の新たな役割が見えてきた(K)