家に「15年物」が眠っている。と言ってもウイスキーのような嬉しい代物ではなく、塗料の話である。使いかけの塗料を缶に入れたまま15年、いよいよ処分(開缶)のときが迫り、どのような事態になるのかちょっとビクついている▲15年ほど前に家を建てたとき、屋内の天井と壁は塗装仕上げにした。家族総出で素人によるDIY塗装にチャレンジ。出来はともかく、家づくりの一端を自分たちで担えたことの満足感は大きかった▲その際、後々タッチアップで必要だからと残塗料が入ったままの一斗缶を屋根裏収納にしまいこんだ。そのまま時は流れて15年、一度も缶の蓋を開けることはなく、十分に熟成されたエマルション塗料が屋根裏で静かに眠っている▲時々気にはなったものの、処分が億劫で見てみぬふりをして過ごしてきたが、それが許されない事情ができ、いよいよ処分を迫られた。残塗料を固める固化剤を購入、いつでも缶を開けられる準備はできたが、どんなニオイを嗅ぐことになるのか、この期に及んでまだ躊躇している▲こうなると、多少費用がかかってもいいので売った側の引き取りサービスがあればいいのにと思う。後始末のやっかいさを抱えたままでは一般への普及も覚束ない。さて、「15年物」の熟成EPの禁断の香り、後日レポートします(K)