「今年はマイナス1カ月」「いやいや、マイナス3カ月のところもあるらしい」などと、年明けから漏れ聞こえてくる噂。オリンピックイヤーにおける塗料メーカーの売上予算の話題である。オリンピック・パラリンピックの会期と準備など前後の期間も含めて「2~3カ月は工事が止まる」と見越し、前年比マイナスで予算計上している企業があると聞く▲交通規制による物流の麻痺で材料が届かない、大会に駆り出されて工事現場からガードマンがいなくなる、果ては「スナイパーの絶好の隠れ場所になるから足場は厳禁」など、ネガティブな情報はどんどん飛躍する▲「大会で止まっていた工事がその後出たとしても、職人のキャパの分しか仕事はこなせない」と、やはり職人不足が足かせとなりマイナス分を取り戻せないまま1年が終わるとの見方も多い。高度成長下でワクワクしながら迎えた前回のオリンピックに比べ、今回のそれはさしずめ「ハラハラ・オリンピック」。景気や暮らしへの心配の方がどうしても先立ってしまう▲と、始まる前から不安ばかりを煽っていても仕方がない。やはり、オリンピックの成功は世界への発信力や日本の元気にもつながる。ここはひとつ、海外からの観戦者の道案内でも買って出てみようか。身振り手振りのボディランゲージだけど(K)