「ペンキ屋さんて、どんなイメージ?」と男子高校生に問いかけると、「絵を描いたり、色を塗ったり、なんかアートな感じ?」との返答。それまで意識したこともないから"知らない"というのが実態だけど、それだけに塗装職人へのイメージはニュートラル。少なくとも、彼らの親世代が抱くネガティブなイメージは、今どきの若い人たちにはなさそう▲先週末、若手塗装業者らで構成する神奈川昭和会(高野一哉会長)が、「職業体験塗装ボランティア」を県下の高校で行った。冒頭の高校生のコメントはその取材での一コマ▲今回は30名ほどの生徒が参加、2人1組のペアで割り当てられた廊下の壁を塗装する。それぞれのペアに会員会社の職人がつきっきりで作業を指導。直線を出すため1mm逃げて貼るマスキングテープ、ローラーのミミを消す最後の空ローラー、フリーハンドでまっすぐに塗るダミ込み、しなやかでそつのない手の動き。彼ら、彼女らにとって塗装のプロの世界は驚きや発見の連続だ。職人の"凄さ"に感じ入っている様子が伝わる▲若手の入職難が続く塗装業界だが、解決のカギはやはり"職人力"にありそう。その魅力の表出に知恵を絞ればまだまだチャンスはある。3Kなどと自ら蔑むことはない。こちらもニュートラルに向き合っていけばいい(K)