先日、粉体塗装を行っている塗装専業者の社長と話をしているとき、最新の非接触タイプの膜厚計の話題になった。通常は焼付後に膜厚を測るが、焼付前に規定膜厚にあるかどうかが分かればその時に対処できるので、リコートや"心配だから多めに塗料を付ける"ことがなくなり非常に有効だと言う▲かつて同タイプの膜厚計を使ったことがあるが、使い勝手や精度に難があったらしく新タイプに関心を持っていた。関心は性能だけでなくデジタル対応にも向く。塗装ラインに固定し随時膜厚データが取れれば、塗装条件との相関性が分析でき品質の安定化につながる▲最近、デジタルトランスフォーメーションを意味するDXという言葉を頻繁に耳にするが、工業塗装の現場でもIT化やデジタル化の関心度は確実に高まっている。リモートの必要性が迫られるなどコロナ禍がその背景にあるように感じる。今年も残り1カ月を切ったが来年はデジタル化が加速する機運が高まっている▲非接触の計測―これは塗装現場に限った話ではなく、実は非常に身近にあったりする。会社の受付やビルの入館で行う検温だ。ハンド式、固定式、画像タイプなどさまざまなタイプがあり、取材で外を周っていると頻繁に検温を受ける。こちらの方は来年には不要となってほしい(T)