「大和・積水、住宅値上げ」―先週の日経新聞に踊っていた見出しである。ウッドショックの余波で、ハウスメーカーが木造住宅の値上げを打ち出し始めたとの記事。それによる着工数の減少が家具や家電など関連消費の停滞にも波及し、消費回復が一層遅れると懸念を伝えている▲リモートワークによる郊外への移住や低金利政策で住宅建設ラッシュに沸くアメリカ。世界の木材がそこに集まっていることに加え、コンテナ不足による物流渋滞も発生。輸入材に頼っている国内の木材需給が逼迫し、極端な品不足と価格の急騰を招いた。コロナ禍が引き起こした「ウッドショック」である▲先日、そのことについて取材先で話を交わしていたところ、「3Dプリンターの家」に話が及んだ。木材供給の持続可能性や人手不足の社会課題を鑑みると、「近い将来、3Dプリンターによる家づくりが主流になるのではないか」との視点だ▲現場に大型の3Dプリンターを設置し、アームの先から"出力"する材料を積層させて3次元の躯体を形成する家づくり。木材を使わず、全自動・無人で、時間も費用も圧倒的に抑えられるとして海外では実践モードに入ってきたという▲コロナ禍が加速させるかもしれない家づくりのトランスフォーメーション(変革)。"ハウスショック"も近い?(K)