久々にやらかしてしまった。アポイントの日時を間違えてしまい、危うく取材ができなくなるという失態である。場所は出張先の広島。先方の予定変更は難しく、東京から簡単に出直せる距離でもない。すっかりテンパっている当方に、先方が一言。「別の日にオンラインでいかがですか」▲考えてみれば、その前日にもオンラインの恩恵をこうむっている。こちらは、出張先で都内の企業を取材できた逆のパターン。最初からオンラインを希望されていたので、出張先でも予定を組むことができた。画面に向かい、「場所や距離を超えて会えるようになり、便利な世の中になりましたね」と調子よく話していた自分はどこへやら。翌日にはパニックに陥るのだから世話はない▲「オンラインはコロナがもたらした副産物」と語るのは、別の日に訪ねた塗装会社の経営者。60名の全従業員に向けた「社員塾」や経営幹部会議を毎週オンラインで開催し、「社員との接触はむしろコロナ前よりも密になった」とその効用を説く。オンラインの活用で社内の連帯感が一層高まりコロナ下でも成長を継続、したたかに経営に生かしている▲不安に襲われた1年前の今頃に比べ、人も企業も少したくましくなったように思うが、さて来年はどうだろう。コロナ下で迎える2度目の事業年度が始まった(K)