業界団体の忘年会中止の案内が続いている。コロナの感染者数は急激に減少しているが、通常に戻るにはもうひと踏ん張りか▲今年も新語・流行語大賞のノミネートが発表された。ピクトグラム、変異株、人流などやはりオリンピックやコロナの関連が目立つ。SDGsも今年の言葉として選ばれており、塗料、塗装の業界でもSDGsやカーボンニュートラルの取り組みに関する発表を多くの場で見かけた▲業界に絞って考えてみたときはどんな言葉が思い浮かぶだろうか。「材料調達難」は今年多くの場面で耳にした。国内外の化学品工場の事故や物流問題などによって、原材料の調達が難しくなり塗料価格が高騰、一部では欠品も出た。部材が入らず自動車産業では生産調整が続き、塗装専業者に影響を及ぼしている▲こんな話を聞いた。ある販売店では建材部門を持ち木材を販売しているが、県産材を扱っていたためウッドショックの影響は全くなかったという。"地元の林業を支える""昔からのチャネルを守る"といった社会性を重視した試みがプラスに作用した▲その社長は「目先の損をとっても長期的な得を考える必要がある」という。コストを重視したサプライチェーンが正しくないとは言えないが、不安定さを持つことが露呈された1年だったとは言えるだろう(T)