東京都環境局のあるチームが、その界隈では有名になってきたらしい。アスベスト見回りチームだ。都内で行われている建物の解体や改修工事の現場に出没、アスベスト対策が適切になされているかどうかを見て回る。数チームが流しで回りながら目についた現場を抜き打ちで検査。その多さと頻度に、各所の現場に緊張感が広まっているという▲先週、塗装団体の研修会で、東京都の担当者を講師に「改修工事におけるアスベスト対策」のレクチャーが行われた。今年から規制強化されたアスベスト法令が自分たちの仕事とどう関わるのか、Q&Aでは質問が相次いだ▲団体の会員は主に戸建住宅の塗り替えを生業としている事業者。「ひび割れの補修で溝を掘る場合は?」「シーリングの撤去で塗膜がはがれるケースは?」「高圧洗浄への見解は?」など、自分たちのルーチンが事前調査や届け出の対象になるのか、疑問をぶつけた▲答えは「YES」である。都の担当者によると、旧塗膜や下地を「切る、削る」などの事態が想定される場合、すべて規制の対象になるとの見解。住宅塗り替えのような小規模な工事(100万円以上)であっても対策は必須になりそうだ▲とはいえ今回のアスベスト法令、規制強化を逆手にチャンスの芽もありそうなのだ。研修会の詳報は後日の紙面で(K)