「トヨタは変わった」―自動車部品を塗装する塗装会社の経営者から出た言葉だ。少し前にも別の塗装会社から同じような話を聞いていたので印象に残った。曰く、以前よりも協力会社に配慮するようになったと感じるのだとか▲自動車産業は半導体をはじめ部材調達が困難な状況にあり生産調整が続いた。そんな中、トヨタだけはその月の生産数量を決めると変更なく実行するという。他の自動車メーカーでは週単位で数量が変わるため、請け負う塗装工場としても塗装ラインの予定が立てにくく非常に効率が悪くなる。「数量が少なくても予定通り進めてもらえるのは助かる。こっちとしても事前の対策が打てるから」とのこと▲トヨタのYouTube「トヨタイズム」の中に「トヨタ春交渉2021」の話し合いの様子を収めた動画がある。現場報告するシーンでのこと―"はじかれた"ある樹脂部品について、トヨタの品管でさえも何が問題なのか分からない。実は2次仕入先が、光の加減で分かる程度の傷があるため自主的に廃棄していたのだ。「その結果、不良率が高まってしまう。相談してもらえる信頼関係を築けていなかった」と社員は反省を口にする▲実際どの程度改善されたのかは分からない。ただ「変わった」と感じる協力会社がいることはBCPに重要な要素のはずだ(T)