新型コロナの関連記事が本紙に初めて登場したのは、2年前の2月12日付の新聞。「新型肺炎対策、中国出張禁止」の見出しで、ある塗料メーカーの対応策を報じている。「コロナ」よりも「肺炎」の方が、まだ見出しとして通じる時期だったのだろう。しかしこの後、「コロナ」の不吉な文字が、紙面で一気に幅を利かせることになる▲「あれからもう2年も経ったのか」と、個人的には随分長かったような時間の感覚。人は、初めて体験したことが多いほど時間の感じ方が長くなるという「ジャネーの法則」に従えば、コロナ禍で経験した初めての出来事が多かったということだろう。ふつう、歳をとると時間が早く過ぎるはずだから、少し得をしていると言えなくもない▲この2年、仕事もプライベートも確かにいろんな"初体験"をした。テレワーク、オンライン取材、常時マスク、赤ちょうちんとのお別れ等々、細事にわたればきりがない。で、そのことによって自分は成長したかというと...そこは非常に心もとない▲ともあれ、コロナ禍との付き合いも丸2年。「長いなぁ」といった厭戦気分も、取材先で受ける刺激が吹き飛ばしてくれるので、「いい仕事だなぁ」と改めて業界に感謝の気持ち。トンネルが長いほど出口が見えたときの高揚感も跳ねるはず。業界の方々と共有したい(K)