日経メッセ「街づくり・店づくり総合展」が、3月12日~15日の4日間東京ビッグサイトで開催された。このうち、店舗総合見本市の「JAPAN SHOP」と建築総合展の「建築・建材展」には塗料・塗装関連の企業も毎回出展。新製品や注力事業のPRに努めていた。

■軒天の意匠性新工法出展 エスケー化研
店舗総合見本市のJAPAN SHOPに毎回出展している塗料メーカーのエスケー化研。店舗や商業施設の内外装を彩る塗料・塗材やシート建材などを出展し、意匠性の高さで来場者を惹きつけた。特殊ファンデーションローラー塗装工法の「ファインFR工法シリーズ」は、特殊ローラーや特殊スポンジなどを駆使してさまざまな意匠表現が行えるオリジナル工法。レザー調、錆調、モルタル調、木目調、メタリック調、エイジングなど豊かな表情の塗装仕上げで店舗の価値を高める。併せて軒天専用の新工法「ファインFR-MA工法(木目調仕上げ)」などをアピールしていた。

■半世紀迎えるジョリパット アイカ工業
JAPAN SHOPの常連・アイカ工業の意匠性内外装仕上塗材「ジョリパット」。意匠性塗材の代名詞ともいえる同品も、「国内に導入、市場展開を初めて今年で50年になる」と担当者。商空間を彩る同品ならではの意匠性に更に磨きをかけ進化を続けると意気込みを語っていた。今回の展示会では、改修用意匠性塗材「ジョリパット フレッシュストーン」を参考出品。改修物件の意匠性ニーズに応える多彩なデザイン性をアピールしていた。

■6つのソリューションで独自性 菊水化学工業
一方、建築・建材展では昨年に引き続き菊水化学工業が出展。環境対策、省エネ対策、美観回復、剥落対策、機能回復、漏水対策などリフォームのソーシャルワーカーとして提供できる6つのソリューションを提案。独自に構築してきた製品や技術力をアピールした。昨年の出展では、「社会インフラの長寿命化に向けて自治体との商談が始まるなど、この展示会での成果が早々に現れている」と担当者。6つのソリューションの切り口で幅広い層へ向けた展示を行った。また、CO2削減で注目されている新素材ジオポリマーに関して、タイル目地材への応用製品を参考出品。「セメントのような白華現象を抑えられる」とし、環境・機能の両面で効果を紹介していた。

■木部用水性塗料を全面展開 W&Lユニオン
ユニオンペイントグループのW&Lユニオンは、「水性塗料でCO2削減、カーボンニュートラルを実現しよう!」をキャッチフレーズに水性塗料の製品群を並べた。「木部に水性はNGとの市場の認識もだいぶ様変わりしてきた。環境対策を優先させつつ、美観と木部の保護性能を両立させるのが塗料メーカーの腕の見せ所」とし、各種木部用の水性塗料を出品。溶剤系2液ウレタンと同等の塗膜性能を持つ「アクアネクスト2液」、新発売の「白木肌」や木材保護塗料「水性タフウッドコスメ」など水性塗料の豊富なバリエーションをアピールしていた。

■カニ殻応用塗料と木毛板のコラボ 大村塗料
鳥取県の産業ブースで出展したのは、同県に本社を置く塗料ディーラーの大村塗料だ。同社は、カニ殻に含まれる天然高分子材料のキトサンを配合した塗料を自社で開発。内装塗料の「キトサンエイト」の商品名で展開し、既に10年以上の市場実績がある。安全安心、健康志向の高まりを背景に注目度が上がっている塗料だ。今回の出展では、同じく鳥取県の企業の栄進工業とのコラボ商品となる「カイトボード」を出品。栄進工業の木毛セメント板「エイシンボード」に「キトサンエイト」をプレコートして着色、デザイン性を持たせた天然系天井材「カイトボード」として商品化したもの。「互いに循環資源を活用した商品として県のグリーン商品に認定されており、SDGsの側面からもアピールしていきたい」と意気込んでいた。

■イタリアの圧倒的なデザイン性 SPIVER JAPAN
今回、多くの来場者がブースに立ち寄り、注目度の高さを感じさせたのが初出展のSPIVER JAPAN(神奈川県川崎市)だ。同社はイタリアの塗料メーカーSPIVER社の日本総代理店として昨年設立。SPIVERの塗料の特徴は圧倒的な意匠表現力で、世界中の著名な建造物に使われているという。今回の同社の出展に合わせてイタリアのSPIVER社からもダリオ・スピネロ社長が来日、「グッチ、プラダ、ブルガリなどイタリアのブランドは日本でとても愛好されているように、両国の感性は非常に通ずるところがあると思う」とし、日本市場での販売拡大に期待を寄せていた。