化石サンゴ内装塗材、小中学校で本格採用
室内空気質改善に期待

沖縄県与那国島で産出される「化石サンゴ」を主原料にした内装塗材への注目が高まっている。屋内の空気質改善効果への期待から、シックスクール問題を懸念する小中学校の改修工事での採用が進むなどヒット商品への兆しを見せている。需要の広がりを受け、建築塗装業者や塗料ディーラーの扱いも増えてきた。


与那国島産の化石サンゴを主原料にした内装塗材の商品名は「輝・キララ」。塗材開発及び販売のGENSEN(本社・東京都渋谷区、社長・太田健一氏)が総販売元となり一昨年から市場展開に入った。

与那国島の化石サンゴはカルシウムとミネラル成分を多量に含み、高級サプリメントや良質な飲料水のろ過剤などとして利用されている希少性の高い原材料。また、キメの細かい多孔質な構造となっており、塗材の原料に用いた場合、消臭性や吸放湿性の他、カビ抵抗性や抗菌性など屋内の空気質を改善する効果が得られる。

同社が行った第三者機関での試験によると、各種カビ菌への抵抗性、黄色ブドウ球菌や大腸菌への抗菌性、アンモニア・酢酸・硫化水素などの消臭性、吸放湿性、遠赤外線の放出やマイナスイオン測定など、「室内の空気質改善を測るいずれの試験においても高い次元で効果を実証。専門の第三者によるエビデンスが何よりの根拠」(太田社長)と自信を示す。F☆☆☆☆、不燃認定取得済み、厚労省VOCガイドラインクリア。

屋内の空気質を良化する同品の効果に小中学校などの施設管理者が注目している。

学校で発症する化学物質過敏症、いわゆる「シックスクール症候群」は広がりを見せたままだ。校舎内の建材や什器、ワックスなどから放出される化学物質に反応し、子供たちがアレルギー症状を発症する現象。教室内にいることができず、屋外に机と椅子を持ち出し、寒空の下でベンチコートを着込んで授業を受けているなどの光景も度々放映されている。特に校舎の建て替えや改修を行った後に新たに発症する子供たちが多く、自治体などの施設管理者はこれらの工事で使う建材・部材への神経を尖らせている。

こうした実態を受け、同品の採用が動き始めている。首都圏のある自治体では、小学校の校舎内の改修工事で、廊下の天井と壁など約6,000㎡の規模で同品を採用。施工後の環境測定で良好な結果が出たことから、市内の小中学校の改修工事の設計に折り込まれ、約100校に及ぶ学校の改修工事で順次使われていくことが決まった。

同品は商品研修、施工研修を修了した認定施工店や認定塗料販売店による展開のため、自治体などでの採用でも最終的に認定店に需要がもたらされる。このため自治体採用が決まった地域の塗装会社や塗料販売店は需要を囲い込めるメリットがある。

同社では、学校での本格採用を皮切りに、住宅や商業施設、医療機関、高齢者施設など民間需要へも積極展開を図り、実績が急伸している。このため同社の相模原市のショールームで認定施工店研修を行い、同品を施工できる「ウォールアーティスト(W・A)」の育成を積極化させている。座学と実技からなるW・Aの研修費は1名6万5,000円、2名8万5,000円、3名10万5,000円、4名からは1名増えるごとに1万円アップ(すべて税別)。

また、施工店とは別に同品を扱いたい販売業者には「塗り自慢」の商品名で、再販も行う。この場合も認定店になるための商品研修受講が必要。学校での採用が決まった地域の塗装店や塗料販売店などは既に受講を済ませ、「輝・キララ」や「塗り自慢」での営業活動をスタート、実績を重ね始めている。

なお、同品は刷毛、ローラー、コテ、吹付などマルチな施工法に対応、淡彩から中彩域の25色を揃える。

問い合わせ:GENSEN TEL03-6276-7115。



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