コーティング・防食の2技術センターを開設
顧客連携した技術開発を強化

大日本塗料は6月30日に愛知県・小牧事業所にコーティング技術センターを、7月3日に栃木県・那須事業所に防食技術センターを開所した。自動車産業を中心に広がる素材の軽量化や、インフラ設備の老朽化によるメンテナンス需要の高まりといった社会的課題に対して、「塗料に求められる機能や製品・技術・情報・サービスに関するトータルソリューションをお客様とともに開発する」ことを強化するため、顧客ニーズに対応した新技術開発の推進に2つの技術センターを活用していく。


自動車産業を中心とした燃焼ガス排出量の削減に伴い、素材の軽量化が進んでいる。そのため、表面仕上げについても新たな技術が求められており、塗料メーカーとしても従来の製品開発プロセスの枠に収まらず、顧客との連携を深めて技術開発を強化する構えだ。

粉体+インクジェット+液体が可能
コーティング技術センター

同社がこのほど小牧事業所に開設したコーティング技術センターでは、あらゆる工業製品に対する塗料や塗装技術、新たなデザインなどの開発を進めていく。水性塗料や粉体塗料などの環境対応塗料の他にも、新たな意匠としてインクジェットプリンターやインモールドコーティングへの対応力も強化。工業製品の塗装ラインと同じ環境下を想定した塗装テストや多様な塗装を組み合わせた複合塗装を行うことが可能となっている。

例えば、粉体塗料+インクジェット+液体塗料といった異なる塗料の組み合わせを一箇所で試すことができるため、より実践的な開発が可能となる。

塗装サイズについては大物品に対応した設備を揃えており、液体塗料と粉体塗料の場合は最大3m×1.5m、インクジェット仕上げの場合でも最大3m×1.25mまでのワークに対応する。

施設の1階フロアには液体ロボット塗装エリア、粉体自動塗装エリア、インクジェットプリンターエリア、インモールドコーティングエリアを配置しており、さまざまなライン条件に即した色彩開発やライン最適化の事前検証が行える。

また、同一フロアにあるためインクジェットと塗料の複合塗膜による高意匠化の検証や、同一金型内で基材成型と塗装ができるインモールドコーティングの最適条件の検証なども可能。別フロアでは塗膜分析や塗膜構造分析、物性評価などの設備を備える。

塗料メーカー初、防食技術に特化
防食技術センター

那須事業所に開設した防食技術センターは、防食塗料を得意とする同社が塗料メーカーで初めて「防食技術のための技術センター」として建設した。コーティング技術センターと同様、顧客との活用を目的とした施設で、防食分野において共同研究及び共同開発する大学や企業なども募集している。

特徴として、大型構造物を想定した構造体に対して実際の現場に近い作業環境を整える。低温・高温・多湿などの気象条件を設定して施工性や性能を検証することが可能だ。対応設備は幅5m×高さ4mの塗装ブースを備え、大型の構造体の塗装が可能。温度や湿度をコントロールできる大型環境試験機を設置しているため、春夏秋冬、北海道から沖縄までのようにさまざまな環境を想定した塗装条件の設定ができる。

施設内は、大型塗装室、大型環境試験機の他に、塗装前の塗料調製ができる実験室や恒温恒湿塗装ブース・温湿度試験室を完備。塗膜に関する各種物性試験ができる評価室、SSTやCCT、そしてISO12944に準拠したサイクル劣化試験などの促進試験ができる促進防錆試験室も揃っている。


【コーティング技術センター 】
所在地:大日本塗料小牧事業所内(愛知県小牧市大字三ツ渕字西ノ門878、建物:3階建、延床面積1,750㎡
【防食技術センター】
所在地:大日本塗料那須事業所内(栃木県大田原市下石上1382-12)、建物:2階建、延床面積1,000㎡



コーティング技術センター(小牧事業所)
コーティング技術センター(小牧事業所)
 防食技術センター(那須事業所)
防食技術センター(那須事業所)

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