大日本塗料は11月29日、カーテンウォールコーティングフォーラム2024を東京の三菱ビル・コンファレンススクエアMプラスで開催した。
フォーラムではものつくり大学名誉教授の近藤照夫氏による基調講演「金属カーテンウォール塗装に対するSDGsの展開とさらなる環境配慮」の後に各分野の動向の解説が行われた。
三菱地所設計・執行役員工務部長の椿宣之氏は「丸の内界隈の建築部における環境に配慮した具体的取り組み」について紹介した。
同社では2018年に大型物件では初めて外装材にふっ素ポリエステル複合樹脂粉体塗装を採用しており、それ以降採用実績は増えてきている。
2018年の物件で粉体塗装を採用した背景として、椿氏は「中国の塗装工場が高温ふっ素樹脂塗装、つまり溶剤使用、VOC排出がNGとなった」と説明した。同物件ではクロムフリー前処理として環境配慮型表面仕様としている。また、2023年の物件では外装材にメタリックカラーのふっ素ポリエステル複合樹脂粉体塗装を初めて採用している。
大日本塗料の北川将司氏は二層分離形複合樹脂粉体塗料について、長期耐久性によるLCC削減やメタリック塗装における省工程について解説した。
二層分離粉体塗料について、沖縄県での屋外暴露試験結果のデータを用いて、溶剤系ふっ素樹脂塗料やふっ素樹脂粉体塗料を上回る耐久性を示した。その上でLCC削減や塗り替え回数減によるCO2排出量削減につながるとした。また、メタリック塗装の場合は、通常の3コート2ベークを1コート1ベークに工程短縮できるため、CO2削減に寄与できるとの見方を示した。その他に、アルミニウム合金材料工場塗装工業会(ABA)の近藤旭専務理事が「ABAとしてのSDGsへの取り組みと環境配慮」について紹介した。