徹底解剖「大塚刷毛製造BRUSHES」 "仕事もラグビーも全力投球"伝統に

2025年11月16日、ラグビーの聖地と呼ばれる秩父宮ラグビー場(東京・港区)で、関東社会人リーグの公式戦「大塚刷毛製造BRUSHES VS ライオンファングス」の試合が行われた。他の業界紙が報じていたこの話題が、「そういえば、コーティングメディアの新聞には載っていなかったなあ」と思っている読者もおられよう。そう、「載っていなかった」のではなく、あえて「載せなかった」のだ。なぜなら、2025年を彩る業界のアーカイブとして今年の最終号まで取っておきたかったから。試合直前に行った山根雄矢主将のインタビュー、そして秩父宮ラグビー場での試合のレポートを合わせてドドーンとお届けします!

 


今年の秋、大塚刷毛製造から1通のメールが届いた「秩父宮ラグビー場・ 開催試合のご案内」。同社のラグビー部の試合観戦の案内だ。

それを見て、「大塚刷毛製造BRUSHES」について改めて知りたいと思った。コストや効率重視、働き方の変化などで企業のクラブ活動が減少をたどる中、元気に活動を続けている同社のラグビー部。その活力の源とは何か。BRUSHESの精神性に触れてみたいと思い、取材を申し込んだ。

1979年、大塚久利部長(当時)が初心者を集めて大塚刷毛ラグビー部を創部したのがBRUSHESの始まり。企業の宣伝のためではなく、全社員のモチベーションを高め、自社に愛着を持ってほしい。その象徴としての任務を背負い、同部はスタートした。

「仕事あってのラグビーであり、仕事もラグビーも全力で取り組む」というのがチームのモットー。そのひたむきな姿が社員の共感を呼び、50年近くの長きにわたって協力を得て、応援されてきた。

企業のラグビー部の多くが、有志によるクラブチームへと変わっていく中、社員のメンバーだけで構成されている大塚刷毛製造BRUSHESは、今や希少な存在だ。

1991年に関東社会人リーグ4部へ登録し、優勝。2001年に同1部リーグへ昇格。その後、ラグビーのプロ化に伴うリーグ制度の変更で2021年にトップイーストリーグのグループCに、2024年に同リーグのグループBに昇格して現在に至っている。

そんな大塚刷毛製造BRUSHESの主将・山根雄矢さん(写真)に、秩父宮ラグビー場での試合を前に、インタビューに応じてもらった。

社員チームの意地とプライド
山根雄矢主将

――チームの創部以来、秩父宮ラグビー場では初の試合だそうですね。
「ええ。国際試合や日本選手権、大学選手権などビッグマッチで使用されるグラウンドですから、社会人チームにはハードルが高い競技場ですね」

――今回、試合ができる運びになったのはどういった理由ですか。
「私たちのチームは、創部以来一貫して『仕事とラグビーの両立』を目標に掲げて活動しています。先輩方がつないできたその地道な頑張りが関東ラグビー協会から認められ、今回秩父宮で試合ができることになりました」

――どのような気持ちですか。
「ラグビーの聖地であり、ラガーマンの憧れの地ですから、もちろん気合が入ります。当日は、お得意先様からもたくさんの人が応援に駆けつけてくれると聞いています。恥ずかしくない試合をし、ぜひ勝ちたいですね」

――モチベーションが高まっていますね。チームは現在、何人で活動していますか。
「選手登録しているのは29名です」

――皆さん、どういった経緯で入部したのですか。
「高校、大学でラグビーをし、就職の際にラグビー部のある企業として大塚刷毛製造を志望。当社やハンディ・クラウンなどのグループ会社に所属しながらラグビー部に入部し、活動しています」

――ラグビー部があるというのが、志望理由として大きいのですね。
「ええ。大学のときのチームメイトのほとんどは、ラグビー部のない一般企業に就職しています。また、ラグビー部があるとしてもそのほとんどはクラブチーム化しており、働きながらラグビーを続けるという学生時代に抱いていたイメージとは異なってきます。ですから、就職をした会社でラグビーを続けられるというのは珍しいことだし、そこが魅力でした」

――クラブチーム化とはどういうことですか。
「今は、ラグビー部のある企業でも、選手のほとんどはその会社の外部の人たちで構成したクラブチームになっています。ラグビーをするためだけにそのチームに所属しているという形態です。時代の流れやそれぞれの企業の考えがあってそうなってきたのでしょうが、私たちのチームはマルテー大塚グループの社員だけで構成しており、そこがライバルチームとの違いであり、プライドでもあります」

――社員の選手だけで活動しているプライドですね。
「チームのメンバーが仕事で成果を上げれば、自分も負けないように頑張ろうとファイトが湧いてきます。そのように仕事面でも、また人間的にも高め合っていけるのが社員だけで構成したチームの良さだと思います。もちろん、日頃から頻繁にコミュニケーションできる環境にもありますので、チームワークといった点では他のクラブチームには負けないと思っています」

――仕事面でも切磋琢磨できると。皆さん同じような気持ちですか。
「そうですね。同じ会社の中で働いていますから、チームメイトのことはやはり意識していると思います。それと、好きなラグビーを続けさせてもらっているという感謝の気持ちは、間違いなく全員が持っています」

――会社への感謝ですか。
「先ほども言ったように、学生時代のチームメイトは卒業と同時にラグビーも辞めています。でも私たちは、会社が用意してくれたグラウンドで練習ができ、関東社会人リーグに所属してリーグ戦でも戦える。そうした恵まれた環境にいるからこそ、仕事も頑張ろうと思える。それが、このチームの価値観になっています」

――ところで、普段、練習はどのように行っているのですか。
「オフシーズン以外の毎週土日の午前中に、埼玉県杉戸町にあるラグビー専用のフィールドで全体練習を行っています。その他に、月に2回水曜日の仕事終わりに社員が自発的に集まり、江東区葛西のグラウンドでも練習しています。どちらも当社専用のグラウンドというわけではないのですが、会社が交渉して用意してくれています。ライバルチームのようにコーチや補強選手がいるわけでもなく、練習メニューも自分たちで考えて実践しています。だからこそライバルに負けたくない。そうした反骨精神もチームの特徴かもしれませんね」

――最後に、本紙を通して業界へのメッセージはありますか。
「営業先で試合結果について聞かれることも多く、気にかけてくれていることを実感しますし、試合でケガをして包帯を巻いていたり、足を引きずりながら荷物を運んでいると手伝ってくださったり、皆様の温かさを肌身で感じます。業界の人たちに応援されているチームで活動をできて良かったと、つくづく感じています。だからこそ、多くの方が応援に来て下さる秩父宮での試合はぜったいに勝ちたいですね」

――ありがとうございました。試合、がんばってください。

大塚刷毛製造BRUSHES・山根雄矢主将(28)=2020年に大塚刷毛製造に入社。入社後に所属していたシステム部から、この春に営業二部東京支店に異動。営業マンとして日々奮闘している。チームではCTB/SOのポジションにつき、攻守の要を担っている。背番号13



大塚刷毛製造BRUSHES01
大塚刷毛製造BRUSHES01
山根雄矢主将
山根雄矢主将
1,000名を超える人が応援に駆け付けた
1,000名を超える人が応援に駆け付けた
大塚刷毛製造BRUSHES02
大塚刷毛製造BRUSHES02
プレイヤーオブマッチの武者要選手に大塚刷毛製造の脇伸一郎社長から盾が贈られた
プレイヤーオブマッチの武者要選手に大塚刷毛製造の脇伸一郎社長から盾が贈られた
大塚刷毛製造BRUSHES03
大塚刷毛製造BRUSHES03
メンバーボード
メンバーボード
大塚刷毛製造BRUSHES04
大塚刷毛製造BRUSHES04
大塚刷毛製造BRUSHES05
大塚刷毛製造BRUSHES05

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