12月10~12日に東京ビッグサイトで開催された「JAPAN BUILD」にて、製販装3団体と塗料メーカーなど8社が共同ブース「PAINT PAVILION」を出展。それぞれの持ち味を生かした協力体制により、建築業界への塗料・塗装の認知度向上と幅広いニーズへの対応を実現した。こうした成功体験が蓄積されていけば、同様の形態の取り組みが他の業界へのPRにも拡がっていく可能性がある。
JAPAN BUILDは、建築や土木分野の最新製品・技術などの展示会で、関連分野の専門家が商談を主たる目的として来場する。3日間の合計来場者数は3万3,618名だった。
今回の「PAINT PAVILION(ペイントパビリオン)」は、日本塗料工業会(日塗工)、日本塗料商業組合(日塗商)、日本塗装工業会(日塗装)の製販装3団体及び塗料メーカー6社、刷毛・ローラーメーカー2社の計8社が参加した(別表参照)。
3団体連携の共同ブース設置の狙いは、建築業界における塗料・塗装に対する認知度向上及び幅広いニーズへの対応力向上。日塗工がブース全体をプロデュースし、日塗商が来場者とのコミュニケーションを通じた塗料・塗装への啓蒙、日塗装が塗装実演による意匠性付与のPRや集客のアイキャッチ役を担った。
日塗商会員は共同ブース内で「塗料マイスター」として活動。日頃培った塗料・塗装の豊富な知見を生かし、ブースや実演に関心を示した来場者に声がけして業界や技術に関して俯瞰的な視点から解説を行った。
具体的な要望や困りごとを持っている来場者には、適切な分野の製品を扱う出展社のブースに案内するケースもあった。各社の出展内容を把握するため、開場前に各社の展示内容を確認するといった準備も念入りに行われた。
塗装の実演は、会期初日は関西ペイント、2、3日目は日塗装が担当し、1日に4回以上実施した。関西ペイントは断熱塗料のコテ塗り、日塗装は木目模様とフェイクモルタルの塗装を披露した。
プロの塗装技術を間近で見られる機会は多くの人にとって珍しく、かつ意匠がリアルタイムで変化していく様子は見ていて楽しい。実演のたびに多くの来場者が足を止め、集客への大きな貢献となった。
共同ブースは来場者にとってもメリットが多い。出展した塗料メーカー6社はそれぞれの強みを打ち出した展示を行い、幅広い市場ニーズに対応できる体制が構築されていた。また、今回は刷毛・ローラーメーカー2社の参画で塗り方についての検討も可能となり、提案の厚みが増していた。
共同ブースの企画・運営の中心を担った日塗工普及広報部長の清水慶司氏によると、従来のJAPAN BUILDでは塗料・塗装の存在感が希薄だったという。「建物に不可欠の技術との認識を建築業界で高めていく必要性を感じ、昨年から共同ブースを立ち上げた。2回目となり、業界団体・企業が一体となって市場を開拓していく雰囲気がより高まっていた」と成果を強調した。
共同ブースは出展企業にとっても有益だ。今回のブース全体の規模は7.5小間で、単独出展した場合にこの大きさで出すのはハードルが高い。この形式であれば4面が通路に面した「島小間」を比較的低料金で活用できる。
また、塗料メーカーや資材メーカー、塗料販売店、塗装店、更にはコンペティター同士が垣根を越えて交流できる場としての魅力もある。熱心な参画企業からは「できる限り多くの社員が来られるよう調整した。この機会でしかできない経験をしてほしい」との声も聞かれた。
現在、こうした共同ブースが設置されている展示会は「塗料・塗装設備展(COATING JAPAN)」と「JAPAN BUILD」の2つ。今後、こうした企画を別な展示会に拡げていく可能性について、清水氏は「色や意匠のインパクトが訴求力につながる自動車分野は有望と考えている」との構想を明かした。






