ターナー色彩(本社・大阪市、社長・松村隆氏)は、DIY市場を深耕するための新会社を今年1月4日付で設立した。多くの女性ファンを獲得してヒット商品となった「ミルクペイント」によりDIY市場での存在感を高めた同社。新会社では、自社製品に限らず、DIY市場を刺激する多彩な商品の取り扱いなど自在性を高め、親会社とのシナジー創出を狙う。

新会社の社名は「ターナーフロンティア」。事務所は当面、ターナー色彩の本社内に置いて業務を推進。代表取締役にはターナー色彩の取締役だった大曽康夫氏が就任した。

塗料業界では「ネオカラー」で名の通ったターナー色彩だが、近年はDIY市場で台頭している。その火付け役となったのが「ミルクペイント」。最近のDIYブームをけん引している女性DIYerに同品が支持された。

ミルク原料を使用した安全で優しいイメージ、懐かしくて素朴な色合い、アンティークやビンテージ風の仕上がりを簡単に表現できる面白さ、そして思わず手に取りたくなる可愛いパッケージデザインなど、これまでの塗料のイメージを超えた存在として女性のハートを刺激。ちょっとした小物などをペイントでカスタマイズし、自分らしい暮らしを楽しむグッズとして愛用され、更にそのスタイルがSNSなどで拡散され、乗数的にファンが広がった。

こうしたニーズに押され、全国のホームセンターが急ピッチで同品を導入。これまで回転率が低くてお荷物だった塗料コーナーを活性化させる花形商品の地位を獲得し、売上が急伸した。ミルクペイントに連なり、黒板塗料として多彩な色を揃えた「チョークボードペイント」や金属調の表現力に秀でた「アイアンペイント」、木材を古材風に仕上げる「オールドウッドワックス」などDIY商品群が次々にヒット、同社の看板分野に育っていった。

新会社は、DIY市場におけるこうした流れを更に加速させる役割を担う。具体的には、塗料など自社製品に限らず扱い商品群に自在性を持たせDIY市場を更に深耕する。「DIYが一般化している海外に目を向けると面白い商材は山ほどありますし、国内のプロ仕様の材料や道具の中にもDIY用にプロデュースし直せばヒットしそうな商材も潜在しています」(大曽氏)と説明。

例えば、「プロ向けに特化している塗料メーカー各社さんの機能性塗料も、DIYで使いやすい小容量サイズがあれば当たるかも知れません」と一例を出し、絵の具メーカーでもあり、同社の得意な小詰め充填機能によって機能性塗料をリ・プロデュースする事例などを提案する。

「DIYを楽しむ方々には、遊び心やオリジナリティ、発見、冒険、挑戦、家族、温もり、暮らしなどのキーワードが通底していると思います。そうしたマインドを刺激するアイテムを揃えるセレクトショップ的なサプライヤーを目指して市場を活性化、親会社(ターナー色彩)とのシナジーを創出していきたい」と、フロンティア(新天地)を目指す。