「B to Cのその先に」。茨城県日立市の塗料ディーラー・日興(中山泰志社長)の合言葉だ。その意味は、まだ潜在している将来の需要家とつながるため、地域の人たちとのコンタクトを増やすこと。その手段として力を入れているのが、塗料を楽しむワークショップ活動だ。昨年11月23・24日に開かれた「第46回日立市産業祭」に出店した同社のワークショップを覗いた。
日立市産業祭は、食品、飲食、アパレル、家電を始め130を超える市内のさまざまな事業所が出店。毎回数十万人の市民が訪れる大規模なイベントだ。コロナ禍の中断を経て今年から本格的に再開、多くの市民で賑わった。
同社は毎回このイベントに、塗料を使った体験塗装のブースを出店、ペイントの楽しさや面白さを多くの人たちに伝えている。今回はターナー色彩のアイアンペイントを使って、「大人も楽しめるワークショップ」を展開した。
100円ショップの小物を素材に、塗るだけで金属調やアンティーク調に変えられるアイアンペイントの塗装体験を提供。「1人あたり500円の参加料ですが、子供1人につき"大人1人無料"の親子割を設けて、大人の参加を促しました」(中山泰志社長)とユニークなアイデアも盛り込んだ。
狙い通り親子での参加や、おばあちゃんと孫といった微笑ましい組み合わせでの参加が目立った。小学生の孫を連れて参加した女性は、「プラスチックの小物が本物の金属のように見えてとても面白い。多肉植物の育樹が趣味なので、鉢を塗っても面白そう」と興味を示していた。
安価なプラスチック小物がインダストリアルな金属や、味わいのあるアンティーク調に変わっていく様子にブースの前を通る人たちが目をとめ、次々に参加を申し込み。産業祭の期間中、終日多くの人で賑わった。