東京塗料商業協同組合青年部(海老名創会長)は人材育成に積極的な活動を行っている。7月に開催した新入社員研修に続いて、中堅以上の社員を対象にした研修会を11月30日(土)にエスケー化研・東京支店で開催した。今回は建築汎用を対象とし、10社から26名が参加した。
研修会は朝から夕方までの充実したプログラムで、最初に下地の種類や見分け方について学んだ後は、すべてグループワークとし、「自分の働きを見つめ直す」「クレーム案件への対応」「次世代リーダーとして」について参加者で話し合った。
海老名会長は「中堅社員には受け身ではなく能動的な研修の方が適していると考えた。勉強というよりは、グループワークを通じて互いに交流してもらい、働き方の気づきや意識の高さを感じて、モチベーションが上がるきっかけとなれば」との狙いがある。
参加者した社歴8年の営業業務の女性は「マネージャーに誘われて参加を申し出ました。同業他社と話す機会はないのでとても新鮮で、他の会社の働き方や雰囲気が知れて有意義に感じます」と刺激を受け取った様子。
また、新たに広報業務を兼任し始めたという社歴4年の女性は「自分の会社について他社を通して見ることがなかったが、改善点や誇れるところが知れた。新しい視点をもらえたので今後に生かしていきたい」と笑顔を見せた。
東塗商青年部としては会員企業の人材育成を促すことで塗料販売店としての存在を高めていく。そのための学びの場の提供に注力していく考え。今後は東京だけでなく埼玉、千葉、神奈川の青年部との合同研修会も視野に入れている。更には建築分野だけでなく工業や自補修をメインとした内容についても検討していくという。
今回、ライバルとも言える同業他社の社員同士の交流を好まない会社もあったという。しかし、海老名会長は意識すべきは同業他社ではないと言う。「人材を育てる意識を高く持つことが重要で、建築市場の中で塗料販売店の重要性を示すことが大事。乾式建材に押される現状がある中で、何か不具合が生じたらすぐにメーカーに頼っていたら、我々の存在感が弱まってしまう。建築市場で塗料のシェアを伸ばすことを目指したい」と志を高く持ち、東塗商青年部の活動を進める。