大日本塗料は、トンネル工事におけるコンクリート打継部のひび割れや剥落リスクなどを低減する付着防止材を業界で初めて開発、「セパリートコート」の製品名で発売した。トンネルの覆工コンクリート打設時のソリューション製品として、トンネル工事に携わるゼネコンなどに向け提案活動を始める。
現在トンネル工事の中で、トンネルの覆工コンクリート打継部におけるコンクリートのひび割れや剥落などのリスクが問題視されている。トンネル建設における先打ちコンクリートと後打ちコンクリートの打継部(接触部)で生じる不具合が、要因の1つに見られている。打継部におけるコンクリートの硬化収縮や温度変化による引張応力の違いが蓄積し、耐えきれなくなったコンクリートにひび割れの発生やコンクリート片の剥離が生じるなどの不具合。
それらのトラブルへの対策として開発したのが、トンネルの覆工コンクリートの打継部の付着防止材「セパリートコート」だ。
先打ちコンクリート硬化後に同品を塗布することで、先打ちコンクリートの表面及び表層に縁切り効果が付与される。そのため後打ちコンクリートを打設しても、水などのコンクリート成分が先打ちコンクリートに侵入せずコンクリート同士の付着を防ぎ、硬化収縮の違いによる不具合や引張応力の蓄積を抑制できる。
施工に関しては、刷毛やローラーによる塗装で行える。塗るだけで対策ができるため標準的な2日に1回の打設の進捗に影響せず、覆工作業に支障なく適用できる。打継部のコンクリートは表面気泡や妻板の凹凸跡などが存在するが、同品は含侵性が高いため、粗面でも安定した縁切り効果を発揮する。塗装直後は濡れ肌になるものの、乾燥後はクリヤーになるため、仕上がり外観にも影響がない。
また、同品を塗布したコンクリートを水中に浸漬しても、未塗布と同等の水質であることも確認。水路トンネルなどの没水環境で適用しても影響がなく、幅広いトンネル工事に使える。
トンネル工事に携わるゼネコンなどに向け、ソリューション製品として提案し、販売増を目指す。
製品概要△名称:トンネルの覆工コンクリートの打継部の付着防止材「セパリートコート」△荷姿:15kg(缶)△樹脂系:シラン△積算価格:6万円。
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