「中小零細塗装店の、10年先のブルーオーシャン経営」を掲げて活動を推進している(一社)木造住宅塗装リフォーム協会(=木塗協、代表理事・古畑秀幸氏)。塗装業を中心に全国100社以上に会員数が拡大、国が優良な事業者団体と認める「住宅リフォーム事業者団体」にも登録され、活動に勢いが増してきた。

新築が減少し、従来型のリフォーム需要も競争が激化する住宅市場において、国は中古住宅の流通拡大で市場を活性化させる政策を打ち出している。「中古住宅の売買にはリフォーム需要が伴い、そこでイニシアチブをとれる事業を組み立てることで、不毛な競争に巻き込まれない経営を実践する」(古畑氏)と、ブルーオーシャン経営を会員会社に示す。

中古住宅の売買では、建物の状況調査(インスペクション)を行い、その結果を買主に報告することが宅建業法で義務付けられた。このインスペクションのスキルと資格を会員会社が取得し、その実務を宅建業者などに提供。インスペクションを切り口に屋根、外壁、構造などのリフォーム需要を囲い込むことで地域市場におけるブルーオーシャン経営を目指すとの構想だ。

このため、インスペクション制度に必須の建築士の採用や建築士事務所登録の支援の他、塗装からトータルリフォーム化へ向けた各種商材、工法の導入など会員会社のスキルアップへ向けた支援に余念がない。中小零細塗装店の将来的なブルーオーシャン経営に向け、着々と準備を整えている。