塗装業など、住宅の外装リフォーム業者で組織する木造住宅塗装リフォーム協会(略称:木塗協、代表理事・古畑秀幸氏)は昨年11月19日、東京・両国の国際ファッションセンターで「2024年第4回定期研修会」を、会場とリモートのハイブリッドで開催した。今年10月に、木塗協の事務局長に就任した阿部守氏(写真)が、塗装リフォーム市場の変化について新たな視点から解説した。

今回の研修会では、阿部守氏の「激変する塗装&リフォーム市場を乗り切る経営」と題した講演を主体に展開。

一級建築士でもある阿部氏は、建築業界に詳しい中小企業診断士として数々の建設・リフォーム会社のコンサルタントとして活躍。今年10月から新たに木塗協の事務局長に就任し、コンサル的な視点から支援していくことになった。

阿部氏はまず、リフォームを行う際の消費者の考え方を、公的に得られるデータをもとに解説。リフォーム業者の選定で重視する点、リフォームで不安に感じていること、リフォーム実施者の契約理由などをデータに沿って解説した。リフォーム業者の選定や契約に関しては、最終的には担当者の対応や人柄が決め手になっているとの指摘があった。

また、リフォーム箇所の調査では、戸建住宅では水まわりを抑えて、外壁リフォームの割合が最も高いこともデータで示した。

この講演で興味深かったのは、リフォームの情報源と、今後情報源として活用が増えそうな行動を示した点だ。

リフォームの情報源では20代から40代はインターネットが最も多く、「これらの層が需要のボリュームゾーンとなる10年後には、インターネットでの情報収集が圧倒的に主流になる」と指摘。加えて、「業者選定という面倒な作業において、生成AIが使われることも増えるだろう」との見解を示した。

阿部氏は実際に、「住宅外壁塗装工事の選び方を教えてください」「住宅外壁塗装工事の見積もりの見方を教えてください」「住宅外壁塗装工事費の相場を教えてください」といった設問でChat GPTに入力。業者選定や見積の見方、相場価格について明確な情報が示され、消費者のガイドラインとして有用であることが分かった。

「今後は、AI対策も視野にいれながら自社を形作っていかなければならない」とし、テクノロジー時代のリフォーム業の在り方について触れた。