住宅塗装"防蟻"で差別化

戸建てなど住宅の外装リフォームの分野で床下などの"防蟻施工"に乗り出す塗装業者が増えている。「わが家を長持ちさせたい」という施主のニーズを満足させるため、住宅へのダメージが大きい蟻害の予防工事を、屋根・壁の塗り替え工事のタイミングで提案、自社の新たなサービスとして取り込んでいる。その防蟻施工で近年注目されているのがアーテック(本社・長崎県大村市、社長・林田雅博氏)の防蟻防腐用木炭塗料「アンダープロテクト」だ。人と住環境に優しい防蟻防腐処理材として市場に広がっている。


木造住宅のシロアリ被害を防止する防蟻処理は、建築に際して地面から1メートル以内の柱、筋交い、土台などにシロアリの食害を防ぐ防蟻剤を塗布する工程で、建築基準法で定められたプロセス。一般的に農薬系の薬剤が多く使われ、最近ではホウ酸を主原料とした防蟻剤も普及し始めている。

多くの場合、新築時の防蟻処理に関して売り主から出される保証期間は5年間。ただ、その期間を過ぎて改めて防蟻処理をするハウスオーナーは意外と少ない。床下や構造など目に見えない箇所のため蟻害に遭って初めて気づくケースも多く、その補修に多大な費用を強いられる。そのリスクを抑えるため住宅の塗装リフォームの受注に際して床下や構造材の防蟻防腐施工を施主に提案、自社の新たなサービスとして取り組んでいる塗装店が増えている。

その際に使用する防蟻防腐材として塗装業界へのアプローチを強めているのが、アーテックの防蟻防腐用木炭塗料「アンダープロテクト」だ。「一般的な農薬系やホウ酸などの薬剤と異なり、木炭と自然素材を配合して防蟻効果を持たせているので、住まい手への健康や住環境への配慮はもちろん、施工する作業者の方にも優しい防蟻防腐塗料」(同社営業部次長・上野善志介氏)と説明。自然素材系の防蟻防腐材として初めて損保会社による第三者保険保証システム(5年)を実現、高い防蟻防腐効果と自然由来の安全安心を両立させたのがセールスポイントだ。

施主に響く商品力

アンダープロテクトは、木炭を主原料に自然系の防蟻防腐効果を持つ素材を配合した木炭塗料。床下の基礎部や木部に塗布して防蟻防腐効果を発揮する。シロアリなどの生物にとって毒性の強い成分で殺虫する農薬系やホウ酸などと異なり、「シロアリが木材を食べないようにし、結果的に餓死させて蟻害を防ぐメカニズム」(同)と説明。従来の防蟻防腐薬剤とは異なるアプローチで開発された製品で、特許も取得。

同社が掲げるのは「アンダープロテクト8つのエビデンス」。①シロアリを寄せ付けず②シロアリを死滅させる効果を発揮しながら③人体に害はなく④木材も腐らせず⑤環境に負荷をかけず⑥ゴキブリの忌避効果もあり⑦(塗膜によって)基礎コンクリートのノロや粉じんを抑え⑧木炭の調湿効果で床下の湿気を取り除くといった多機能性を兼備。「それらすべてにおいて公的機関の試験によるエビデンスを実証。防蟻防腐効果と住まい手や作業者の安全安心を高い次元で両立している点で、従来の防蟻防腐剤とは完全に一線を画している」と自信を示す。

アンダープロテクトは、新築住宅の分野では長きにわたって使われ続けている。特に、屋根で温めた空気を床下に取り入れ、その空気を室内に循環させるエコハウスの家づくりでは多くに普及。「床下と室内の空気を循環させるので床下の空気が清浄でなければなりません。木炭の効果で床下の空気をクリーンにする当製品ならではの機能が認められたもの」と説明する。

また、それらの家づくりの現場では、施主の家族の子供たちがアンダープロテクトを体験塗装するイベントがよく開かれている。「揮発ガスや食毒性のある従来の防蟻防腐剤では危なくて子供たちに触らせられない。アンダープロテクトがそれだけ安全であることを見える化するため、採用した工務店さんなどがイベントを開催、好評を博しています」と、従来の防蟻防腐剤では考えられない光景が広がっている。

更に、保育園や幼稚園、老健施設など、より安全性を求められる施設での採用も旺盛で、安全安心と高い防蟻効果を兼ね備えた製品としてオーソライズ、独自のポジションを築いている。

高温多湿化でシロアリの分布範囲も広がり蟻害が増加傾向にある中で、「新築時だけでなく、既存住宅にも防蟻防腐処理が必要」とし、住宅の外装リフォームの付随サービスとして塗装業者への提案を強めていきたい考えだ。「昔の住宅が囲炉裏の煤で家全体の防虫防腐効果を持たせていたように、自然素材だけで製品化したいとの思いで開発したのがアンダープロテクト。そうしたストーリー性と安全安心のエビデンス、これまでの多くの使用実績は住まい手にも響くと思います」と、従来の防蟻防腐剤との差別化を強調。

加えて、「既存住宅の施工では床下に潜っての作業となるので、何より施工される職人さん自体に安全安心」とし、塗装業界に広げていきたい考えだ。

アンダープロテクトは水性の木部用防蟻防腐塗料で、荷姿・容量はポリペール缶16kg。塗布面積は約55㎡/缶。刷毛、ローラー、スプレーで施工可。なお、同品は第三者保険保証が付保されるシステムのため、認定施工者研修会の受講が必須で、直近では6月25日(金)13:30からオンラインで開催される。受講料は1万円/名、認定料は個人会員1万円、法人会員3万円。申込方法、締切など詳細は同社TEL0957-47-9110(担当・営業部次長の上野氏)まで。

なお、塗料・塗装業界向けには愛媛県松山市の西田塗料が代理店として販売。商品に関する問い合わせは同社TEL089-973-1131。



防蟻防腐用木炭塗料「アンダープロテクト」
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子供たちにも扱える安全安心がウリ
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