プロユーザー向けツールのドレスアップを支援

DIY関連商材の商品企画・開発や卸売業などを手がけるながやR(本社・大阪市生野区、代表取締役船長・小笠原親秀氏)は、建築・建設現場で使用する工具や道具などのワークツールのドレスアップ事業を開始する。メーカーと協業し、商品にオリジナルデザイン(絵柄)を施し、新たな需要創出を図るのが目的。「仕事道具にもカッコ良さやおしゃれを求める傾向が高まっている」(小笠原氏)とワークツールのドレスアップ展開に成長性を見据えている。


ながやRは、建築会社及び大手DIY関連EC企業でキャリアを重ねた小笠原氏が2017年に個人事業からスタートし、2019年に設立したDIY総合エンターテインメント企業。

DIYに関連した「売る」「作る」「教える」を軸に、企業と協業したDIY関連商材の商品企画、開発事業を行う傍ら、テレビ番組の製作監修、技術指導を数多く担当。地域活性アウトドアバラエティ「ぽん太village」(J:COM)にレギュラー出演する他、「キャスト」(朝日放送)、「よ~いドン!」「かまいたちの100均物件」(関西テレビ)、「練金バトルKASEGE」(日本テレビ)など多数の出演実績を持つ。

企業との協業においてもホームセンター、スポーツ量販店、塗料・金物メーカー、ブライダル関係など多種多彩。「ブライダル会社では、ウェディングプランナーに対し、アイテムづくりの指導を行った」(小笠原氏)とものづくりの楽しさを基点にDIYの領域を広げている。

そんな同社が新たな事業として見出したのが、ワークツールのドレスアップ。「車やバイクのようなドレスアップ市場を工具・道具業界で展開したい」と数年に及ぶ構想・準備期間を経て、本格展開を開始する。

具体的には、メーカーが販売する既製品に対し、転写、印刷、塗装、金属表面処理などの加飾技術を施し、商品の開発、生産(加飾)、販売までを支援するというもの。「建築職人においても人と違う物を持ちたい、カッコ良さを求めるニーズが高まっている」とSNSが後押しする形でドレスアップ市場が形成されつつあるという。

メーカー(NB)品との差別化策としてPB商品の開発も珍しくない中、同社がパートナーとしてあえてメーカーを選んだのは、ドレスアップ市場の構築を重視しているためだ。

「市場拡大のスピード化を図るためには、ドレスアップアイテムの開発ネットワークが必要。メーカーの協力や承認が必要不可欠であり、販売方法の選択肢が広いメーカーが相応しいと考えた」と説明。懸念される生産ロットや在庫負担に関しては、零細工場が多く残る生野区の地の利を生かした地域ネットワークを主に活用。水圧転写、印刷、金属表面処理などの各工場と協力関係を構築し、小ロットでの対応を可能にした。

高額ブランドも登場

既に事業の本格展開に先んじてメーカーとの協業を開始しており、日動工業(電工ドラム)、好川産業(パテベラ)とオリジナル商品の販売を開始。電工ドラムにおいては、ストリート系ファッションをモチーフにした10柄のデザインを揃え、日動工業と同社のダブルネーム「デザインドラム」(商品名)を販売している。
 この他にもファン付きウェア、ガラススクレーパー、ハンドドライバーメーカー各社と販売開始に向けた準備を進める一方、作業用ヘルメット関連用品、塗装用品、電設工具、コンプレッサー、撹拌機、防塵マスクに対しても企画提案を進めており、ドレスアップによる付加価値展開が広がりつつある。

こうした状況を小笠原氏は「仕事着から派生したワークウェアブランドが数々誕生しているように、仕事をファッショナブルにオシャレにする方向は、自己表現もさることながら、人に憧れや安心感を与える効果もある。特になり手がいない建築・建設業界においては、職人のカッコ良さを子供たちに伝える効果も期待できる」とコメント。通常数千円程度で販売されている腰袋において、5万円を超えるブランドも登場しており、「自分の使うものには、しっかりお金をかける市場ができつつある」と工具、道具マーケットでドレスアップ市場を牽引する構えだ。



店舗外観。金物店などから廃番商品を収集、昭和感あふれる店舗に
店舗外観。金物店などから廃番商品を収集、昭和感あふれる店舗に
「デザインドラム」(日動工業)
「デザインドラム」(日動工業)
「パテキング」(好川産業)
「パテキング」(好川産業)

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