水谷ペイントは3月上旬、都内の会場で「2024年度販売店・パートナー施工店勉強会」を開催した。全国8会場で開催している勉強会の一環で、首都圏の顧客を対象に開催したもの。パートナー施工店や塗料販売店などから110名が参加した。

勉強会に先立ちあいさつに立った水谷成彦社長(写真)は「この勉強会もコロナ禍の緊急事態宣言が発令される前の2020年2月に開催して以来、4年ぶりのリアルでの勉強会になります。この間、WEBセミナーを行ってきましたが、やはりリアルでないと伝えられないことも多々あります。本日は対面式の勉強会ならではの貴重な話も発表させて頂きたいと思います。さて、いま時代が求めているのは脱炭素です。建築用塗料に関して言えば塗料の水系化ということになりますが、残念ながら屋根用塗料においては、最も需要の多い関東圏でいまだに弱溶剤系が主流です。これは20年ほど前に大手メーカーさんが水系で屋根用塗料に参入した時に多発したクレームが、塗装店さんに後遺症を残したからだと思っています。当社は昭和55年に屋根用水系塗料の『水系ポリマ』を発売して以来ほぼクレームレスですし、屋根用の水系塗料で更に強力な製品を相次いで上市しています。今後も他社にない独自の製品を開発し、研究開発型企業としての強みを磨いていきます。皆様のご支援をいただきながら二人三脚で発展していきたい」とメッセージを述べた。

水谷社長のあいさつにもあったように、今回の勉強会では水系の屋根用塗料への不信感を払拭すべく、「NOクレーム水系屋根用塗料で脱炭素促進!」と題し、同社・経営企画室長の山田和由氏がプレゼンを行った。

山田氏は、塗装ユーザーが持つ水系屋根用塗料への不信感について、付着性と耐候性、金属基材への適用の3つのポイントを挙げ、それぞれについて不信感を払拭する同社の技術力を分かりやすく解説した。

例えば付着性に関しては、屋根基材への最適な浸透力と電気的付着力(カチオン)で課題を払拭し、「水系No.1シーラー」から「水系パワーシーラー」「同Ⅱ」へと進化してきた流れを説明。「乾式洋瓦も含め、全窯業系屋根材に適応する水系シーラーの発売に向け準備を進めている」と紹介した。

また、耐候性への不信に関しては独自の高耐候性技術のナノシリコンテクノロジーや硬化システムのシステムMを解説。低分子のB液の樹脂がA液の隅々まで行き渡り、樹脂同士だけでなく樹脂内でも架橋するシステムMを、「ルーフピアニ」を例に挙げながら説明、耐候性技術の高さを示した。
 勉強会ではこの他、「活躍している施工店に学ぶナノテクシリーズのPRポイント」と題し、工事の受注力アップへ向けた話題を展開。フッ素、シリコン、ラジカルなど一般の施主にとって分かりにくい塗料の基準から、10年、15年、20年と耐久年数別の基準にシフトした「ナノテクシリーズ」。その分かりやすさによって受注力を高めている施工店の事例を紹介し、同シリーズの活用方法について学んだ。

この他製品紹介では、対凍害など寒冷地向けにラインアップした弱溶剤2液型シリコン樹脂の屋根用塗料「ルーフマイルドSi」、システムMの採用で簡単塗装、高性能を実現した水系2液型アクリルウレタン樹脂床用塗料「フロアピアニ」を紹介、それぞれのセールスポイントについて解説した。